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ふと爪を見たら、身に覚えのない凹みが横向きに入っている。どこかにぶつけた覚えもないのに…。
そんな経験はありませんか?
このような爪の表面に横向きの凹みや溝は、爪甲横溝(そうこうおうこう)と呼ばれています。
そもそも、どうして爪が凹んで溝ができてしまうのか?その原因は一体何でしょうか?
今回は、爪が凹む爪甲横溝を取り上げ、その原因と対処方法について解説します。
爪は健康のバロメーターと言われ、体の異変が爪に現れます。爪の凹みは体からの異常のサインかもしれません。爪の変化に耳を傾け、自分自身のコンディションを知りましょう。
この記事はこんなことが書いています
- 爪甲横溝が起こる原因
- 爪甲横溝が起きてしまった時の対処方法
- 爪甲横溝の効果的な予防について
爪甲横溝(そうこうおうこう)とは
爪甲横溝とは、爪に横向きの凹みや溝ができる症状です。体の異常をうつす爪の症状の一つと言えます。
よくあるのが、どこかにぶつけたという外的要因か、栄養不足と言った内的要因、またはその両方が考えられます。
例えば、爪の根元の奥にあり爪を作る 爪母 がダメージを受けて、一時的に爪が成長できなかったケースや、爪の中央が凹む 匙状爪甲 の原因でもある「亜鉛不足」などが挙げられます。他にも糖尿病を患っていたり、常用している薬の作用の影響も受けます。
栄養不足や他の病気との合併症など、心当たりがある場合は、病院での診察をすると良いでしょう。大丈夫と信じて、見過ごしてしまうのが一番リスクがある行為です。
爪甲横溝になりやすいスポーツ
爪母 へのダメージは、爪の根元に衝撃が加わることで起きます。
爪の根元に物を落としてしまったり、何かにぶつけたりする。または、突き指のように指の先端から強い衝撃を受けたり、弱い力でも慢性的に力が加わるとダメージが蓄積され、爪の成長に悪影響が出て爪甲横溝になります。
- 陸上
- サッカー
- バドミントン
- ダンス
- 前後の瞬発力を必要とするスポーツ
- シューズからの圧迫
爪甲横溝の症状
爪甲横溝は、爪に横溝ができる爪の変形を伴う症状ですが、特に痛みやかゆみはありません。
また興味深いことに、爪甲横溝の位置によって、身体の異常が長期間に渡って起きているかが分かるということです。
手の爪は1ヶ月に3mm、足の爪は1ヶ月に1.5mmしか伸びません。このことから例えば爪甲横溝の位置が爪の根元から1.5cmの場所にあった場合、手の爪なら約5ヶ月前、足の爪なら約10ヶ月前の身体の異常を示していると読み解けます。
例えば、ドアで指を挟んでしまったとか、入院中で食事制限していたなどです。
爪甲横溝の位置が、爪の根元に近いほど体の異常が起きてからまだ間もないと判断することができます。
爪甲横溝の主な原因
爪甲横溝の主な原因は、大きく2つに分けられます。
- 外的要因 … 後爪郭 や爪母への外的ダメージ
- 内的要因 … 疲労の蓄積や栄養障害など体調が優れない時
それぞれもう少し詳しく見ていきましょう。
①外的要因 〜後爪郭・爪母へのダメージ〜
後爪郭・爪母へのダメージは、物理的な衝撃を受け、爪母でつくられる爪の成長スピードにブレが生じて起きます。
広島市のしんどう皮ふ科アレルギー科 院長 信藤肇医師は、爪甲横溝について次のように言います。
爪表面を横断するわずかな陥没(溝)です。
しんどう皮膚科アレルギー科
爪母に一時的に生じた障害に一致して起こります。
溝の幅が病変の期間を示します。
全ての爪甲に生じた場合は全身疾患(熱性疾患など)に起因した可能性を考えます。
特定の爪甲に生じた場合にはその爪周囲の湿疹や感染症に起因した可能性を考えます。
まず爪甲横溝が全指に見られるのか、それとも特定の指のみか?これをセルフチェックしましょう。アスリートにとって特定の指だけに爪甲横溝が見られるなら、スポーツによる外的衝撃の可能性が考えられます。
また、爪が変形した部分が自然治癒することはありませんので、完治するには横溝の部分が爪先まで伸びきるのを待つしかありません。
爪甲横溝があるということは、その部分の爪が薄くなっていると同じこと。アスリートは、横溝部分から爪割れや亀裂が生じるリスクを考え合わせることが大切です。
爪甲横溝はひどくなると、爪甲剥離 や脱落を招きます。
爪甲脱落症です。
しんどう皮膚科アレルギー科
横向きの溝にそって完全に爪が分かれ、連続していない爪ができます。
爪甲基部の爪母周囲に強い外傷が加わること、あるいは繰り返し外力が加わることで生じます。
爪の伸長に伴い末梢の爪が脱落します。
このように爪が剥がれ落ちてしまうと、指先に力をかけることができなくなり、極端なスポーツパフォーマンスの低下を招きます。
指先に違和感を感じたら、早めの対策が必要です。十分に注意しましょう。
②内的要因 〜疲労の蓄積・栄養障害〜
疲労の蓄積や栄養障害など体調が優れない時期には、爪にも変化が出て、爪甲横溝として現れてきます。
爪は主成分であるタンパク質だけではなく、ビタミンやミネラルといった様々な栄養素が必要不可欠。なぜなら、それぞれの栄養素が爪の合成を手助けし、健康的な爪が育つからです。
例えば、爪甲横溝の原因の一つは、亜鉛不足と言われています。特に爪甲横溝の溝が深いと、血管系の疾患や糖尿病、亜鉛欠乏症などが疑われます。
また爪甲横溝と同じように爪が凹んでしまう症状に、匙状爪甲 がありますが、匙状爪甲は鉄分不足が原因です。
このように鉄分や亜鉛などのミネラルが不足すると、爪の主成分であるタンパク質の合成が促進されません。
鉄分や亜鉛は、日本人に不足しがちな栄養素です。特に亜鉛は、体内での蓄積がそもそも少ない上に、汗からも失われていくのでアスリートは特に注意しましょう。
爪甲横溝の注意事項
爪甲横溝は、激しいスポーツシーンや極度の疲労だけではなく、もっと身近な日常生活のシーンにも原因が見受けられます。
それが「指先の乾燥」や「靴の圧迫」などです。
指先の 後爪郭 が乾燥すると、ささくれ ができ爪の根元が爪と密着した状態を保てず、離れてしまいます。そうすると爪は一定の厚さを保って成長することができず、爪先に向かって波のプールのようにうねって伸びてくることがあります。
また、足の爪が伸びていて、靴の内側に接触している場合は、歩く度に爪が圧迫されます。そうすると幅が1mmくらいの溝の深い爪甲横溝が出てくる場合があります。これが慢性的になると、爪甲が 爪上皮 から剥がれ、新しい爪が古い爪の下から生えてくるので、爪の表面が段々状になります。
爪甲横溝の対処法と予防法
爪甲横溝の対処方法
爪は変形が起きた部分について自己修復ができません。そのため、爪甲横溝が起きてしまった部分は、残念ながら自然治癒はしません。
するべきことは、症状を悪化させないための適切な対処です。
爪甲横溝の凹みの状態を観察し、爪の形を整えることでスポーツや日常生活に耐えうるのかを判断することは、とても大切です。
横溝に深さがある場合は、ジェルで凹みを埋めて補強することで外的ダメージを軽減し、スポーツの運動強度までに高める対処方法もあります。
もしあなたが爪甲横溝があり不安に感じているなら、スポーツと爪の専門家 アスリートネイルトレーナー に相談することをおすすめします。
爪甲横溝の予防方法
一番望ましいのは、爪甲横溝を起こさないこと。これまで解説してきた原因を取り除くことが大切です。爪甲横溝を予防するには、次の3つが有効です。
- 適正な爪の長さを保持
- 乾燥から守る
- バランスの良い食事
特に重要なのが、適正な爪の長さを保持すること。適正な爪の長さは、爪甲横溝を予防するだけに限らず、爪下血腫、爪甲剥離症、爪割れなどあらゆるスポーツシーンでの怪我のリスクを最小限に抑えることができます。
適正な爪の長さについては、こちらの記事をご覧ください。
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まとめ
いかがでしたでしょうか?
- 爪甲横溝は、爪に横向きの凹みや溝ができる症状
- 爪甲横溝の原因は、外的ダメージと栄養不足
- 爪甲横溝が起きたら、爪の形整や補強などして悪化をさせない
- 爪甲横溝の予防には、適正な爪の長さを保持することが特に大切
爪を手入れするには、爪の構造や特性をしっかりと把握することが必要です。それができれば、爪は手入れやメンテナンスを繰り返すたびに、スポーツにも耐えうる強く丈夫な爪が育っていきます。
逆に爪の構造を知らないと、間違ったケアを続けることになり、いつまで経っても爪が丈夫になりません。
爪は医学の中でもまだ分かっていないことが多い分野ですが、何かトラブルがあった際、信頼できる爪の相談先を持つことが、アスリートがスポーツパフォーマンスを高める上でとても重要です。
爪の各部位の名称や機能については、以下の記事を参照いただきたい。
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