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記事レベル ★★☆☆☆
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爪の構造と各部位の働きなどの知識を得ることは、爪の大切な役割を知り、突発的なアクシデントにも対処することができる。爪の各部分の名称と働きを理解し、ネイルケアやメンテナンスをする際に役立てていただきたい。
- 1 この記事を読むメリット
- 2 爪の総論
- 3 爪の構造の概要
- 4 爪の各部位の名称(読み方)と役割について
- 4.1 爪甲:そうこう(ネイルプレート:nail plate)
- 4.2 爪床:そうしょう(ネイルベッド:nail bed)
- 4.3 爪母:そうぼ(ネイルマトリクス:nail matrix)
- 4.4 爪先/爪甲遊離縁:そうせん、つまさき/そうこうゆうりえん(フリーエッジ:free edge)
- 4.5 黄線:おうせん(イエローライン:yellow line)
- 4.6 負荷点:ふかてん(ストレスポイント:stress point)
- 4.7 爪溝:そうこう(ネイルグルーブ:nail grooves)
- 4.8 後爪郭:こうそうかく(ネイルフォルド:posterior nail fold)
- 4.9 側爪郭:そくそうかく(サイドウォール:lateral nail fold)
- 4.10 側爪甲縁:そくそうこうえん(サイドライン:side line)
- 4.11 爪半月:そうはんげつ(ルヌーラ lunula)
- 4.12 爪根:そうこん(ネイルルート:nail root)
- 4.13 甘皮/爪上皮:あまかわ/そうじょうひ(キューティクル:cuticle/エポニキウム:epionychium)
- 4.14 爪上皮角質:そうじょうひかくしつ(ルースキューティクル:loose cuticle)
- 4.15 爪下皮:そうかひ(ハイポニキウム:hyponychium)
- 4.16 爪下皮角質:そうかひかくしつ(ルースハイポニキウム:loose hyponychium)
- 5 まとめ
この記事を読むメリット
- 爪の各部位の名称と働きが分かる
- 名称の英語表記も分かる
- 健康的な爪がどのような状態かが分かる
爪の総論
爪は、手と足の先にある皮膚の附属器官である。肌と同じで、爪も 三層構造 でできており、爪の周囲の組織は複雑に分化しているため、構造を理解するのはなかなか難しいのが正直なところである。
しかし、爪の各部位の名称と機能を覚えることは、爪に関する様々な疾患を正しく理解するために役立つので、名称と機能をしっかりとお伝えする。
爪の構造の概要
爪の構造をおおまかに説明する。爪は、爪を中心に周囲を皮膚で囲まれており、この周囲の皮膚を「爪郭」と言う。爪の付け根側を「後爪郭」、横の縁側を「側爪郭」と呼ぶ。爪の先端は皮膚との接着がなくなっていて、その離れた部分は「爪先」または「爪甲遊離縁」と呼ぶ。
それでは、以下の図を用いて、名称のパートで各部位の働き・役割を解説する。
爪の各部位の名称(読み方)と役割について
爪甲:そうこう(ネイルプレート:nail plate)
爪甲 は、一般的に「爪」と呼んでいる部分である。ほぼ四角形の半透明角質板で少し凸状にアーチがかっている。爪母 にあるケラチノサイトから作られ、髪の毛の組織と同じく主成分は硬ケラチンでできている。硬ケラチンとは、たんぱく質の一種である。
爪甲 は根元から伸び、少しずつ先端に向かって移動する。厚みは約0.3〜0.8mmである。健康な爪甲の色は、うっすらとピンク色。実際はほぼ透明で、爪甲がのっている 爪床 (=指先の皮下組織)の毛細血管の血液の色が透けて見えるためピンク色に見えている。
ちなみに、中国語で「甲」とは鎧を意味する。爪が人間にとって重要な部位であることが分かる。
爪床:そうしょう(ネイルベッド:nail bed)
爪甲 が乗っている皮下組織の一部で、指先のピンク色の部分。正確には、爪甲の下面に位置する 爪半月 の遠位端から 爪下皮 までの間の軟部組織である。爪床 は、爪甲の形成と維持に必要な水分や栄養を供給するために毛細血管が通っている。また神経も通っている。
ちなみに医療機関で手術にかかる際は、爪は強化用のジェルを外して自爪になる必要がある。ジェルがついているとパルスオキシメーターで血中酸素濃度が測れないからだ。
爪甲 は、爪床 に密着して乗っているだけで、完全に固定されてはいない。そのため、簡単に剥がれる構造であることは覚えておきたい。
爪床の上皮は正常では顆粒層がないため、角化はほとんどしない。ただ、病的な状態になると、顆粒層が出現する場合があり、角質が爪甲下につくられる。そうなると爪甲と爪床は密着できなくなるので、爪の病を進行させる原因となる。
爪床が長いと、爪が長く大きく見える。指の腹からのより大きな力(=爪圧)をかけられる強靭な爪となる。
爪母:そうぼ(ネイルマトリクス:nail matrix)
爪甲 をつくる爪の工場に当たる部分。爪甲は 爪母 で一生つくり続けられ伸び続ける。爪の細胞を作ったり、爪の伸びをコントロールするリンバ管や血管、神経が通っている爪の重要部位で、爪母が傷つくと凸凹の爪が生えてくる。
爪母 は、大部分は後述の後爪郭に覆われて隠れているため、外から見ることはできない。爪母の遠位部は後述の 爪半月 の部分となる。近位部では 後爪郭 の上皮につながっている。
爪床と同じく、爪母の表皮は正常では顆粒層がない。病的な状態になると顆粒層が出現する場合があり、病的な爪甲を形成することがある。
爪先/爪甲遊離縁:そうせん、つまさき/そうこうゆうりえん(フリーエッジ:free edge)
爪甲が伸びて、爪床から離れ指先に飛び出している部分。爪甲は伸長方向である先端付近に至ると上皮と接着性を失うため飛び出すのだ。爪床から水分を受けることができないため、水分含有量が減少して乾燥し、硬く白くなっている。
乾燥の程度が進むと、すぐに二枚爪や割れ、剥がれにつながる。
黄線:おうせん(イエローライン:yellow line)
爪床 と 爪先 の境界線の、薄くわずかに黄色く見える幅0.5~1.5mmの帯状の部分。爪甲 が爪床から離れないようにしている。
負荷点:ふかてん(ストレスポイント:stress point)
黄線 が両端に接する点。爪の両端かつ皮膚から離れている部位である。爪の中でも特に外部衝撃の負荷を受けやすいため、ストレスポイントとも呼ばれている。
負荷がかかりやすいため、ここを起点として爪にヒビが入りやすく、ささくれになったり、無理やり剥がそうとすると 二枚爪 になったり 深爪 になったりトラブルが起こりやすい場所です。欠けるとすぐ仮止めすることが重要。
負荷点 は、必ずできてしまうものであるため、普段からのネイルケアが重要。
深爪にして負荷点をなくすという発想ではなく、できるだけ負荷がかからないような形状に整えるのが良い。割れにくい強い自爪づくりにネイルケアの習慣が必須と言える。
爪溝:そうこう(ネイルグルーブ:nail grooves)
爪甲 を抜爪すると、爪甲があった部位の根元と両側縁に溝が見られる。これを 爪溝 と言う。両側縁の爪溝(=側爪溝)は浅く、根元部の爪溝(=後爪溝)は深い。
側爪溝 は、爪の通り道とも言えるでしょう。後爪溝 は、後述する爪根を袋状に包んでいる。
後爪郭:こうそうかく(ネイルフォルド:posterior nail fold)
爪甲を根元で固定している皮膚の部分。爪の最重要部位の 爪母 を保護する役割を担っている。くさび型の形状となり、その背面は指の背側の皮膚となり、腹面は後爪溝 の一部となる。
後爪郭 に強い刺激や圧を加えるのは危険。後爪郭が変形したり、ダメージが爪母に届くことにより、爪が段上の凸凹をつくるなど傷ついて伸びることがあるので注意が必要だ。
側爪郭:そくそうかく(サイドウォール:lateral nail fold)
爪甲の両側にある厚みのある皮膚の部分。爪甲を左右両側から支え、衝撃から守り、爪甲を固定する役割がある。くさび型となり、背面部は指の皮膚となり、腹側部は 側爪溝 の一部となり、爪甲の表面に密着している。
陥入爪では、主にこの 側爪郭 に炎症が生じて起こる。
側爪甲縁:そくそうこうえん(サイドライン:side line)
爪甲の左右側面の際にある溝の部分。爪を横から見た時に、爪の左右の側面のキワのことです。
爪半月:そうはんげつ(ルヌーラ lunula)
爪甲の根元にある半月形の乳白色の部分。別名「半月」を意味するハーフムーンとも呼ばれている。後爪郭 に覆われていない爪母の遠位部の領域で、できて間もない新しい爪甲であるため、水分含有量が多く白く見える。爪母 がすべて 後爪郭 で覆われていると、爪半月 は外からは見えない。
爪半月 は柔らかく、力強く押すと鈍い痛みがあり、凹んだりする。強い力が加わると、爪が傷がつき凸凹の爪ができることがある。
爪根:そうこん(ネイルルート:nail root)
皮膚の下にある爪甲がつくられた根元の部位。後爪郭 に覆われて、外から見えない爪甲の近位部のことである。
甘皮/爪上皮:あまかわ/そうじょうひ(キューティクル:cuticle/エポニキウム:epionychium)
後爪郭 の皮膚より生じて爪甲の表面に密着して伸長する角質層である。厚さ約0.5〜1mm程度の薄皮で、一般的に「甘皮」と呼ばれる根元の部分だ。
新しく生えてくる爪や後爪郭を保護し、異物や細菌の体内への侵入を防ぐ働きがある。
爪上皮角質:そうじょうひかくしつ(ルースキューティクル:loose cuticle)
爪上皮 から発生し、爪甲の表面に付着している角質の部分。
爪下皮:そうかひ(ハイポニキウム:hyponychium)
爪床の遠位端より末端部の上皮であり、爪の裏の皮膚に連なる部分。爪甲の下から体内へ細菌や異物が侵入しないように防いでいる。
爪下皮 の部分では顆粒層を形成し角化する。
爪下皮角質:そうかひかくしつ(ルースハイポニキウム:loose hyponychium)
爪下皮から爪先の裏側に付着した角質。剥がれたらすぐに殺菌して、ネイルオイルでケアすべき部位である。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
- 爪は、手と足の先にある皮膚の附属器官である
- ネイルケアが強靭な爪にはネイルケアが必要
- 爪母 は爪の最重要部位で、傷つくと凸凹の爪が生えてくる
ネイルケアやメンテナンスに役立てるためにも、ぜひ爪の構造と各部位の働きを知っておきましょう。 爪は神経が通ってなく、爪の細胞は呼吸をしていません。爪床にのっているのみなので、わずかに感じる程度です。しかし、だからこそ普段のトレーニングから注意してケアを行わないと身体の異常を発見することが遅くなり、より大きな故障トラブルを招く場合があります。
他にも爪には様々な部位があり、どの部位も健康で強い爪を形成する重要な役割を担っています。爪自体には神経が通っていないため、異常を発見することが遅くなってしまうことが多々あります。
本記事で取り上げたチェックポイントを参考に、トレーニング後には爪を見る習慣を意識してみてください。その積み重ねが連続出場試合記録や選手生命の延長にもつながり、生涯パフォーマンスを高める結果につながります。
※これらの呼び方は、書物によって異なる場合があります。
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