爪の症状の爪下血腫

爪下血腫の原因と予防対処!アスリート最多の爪の下の内出血を徹底解説

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爪下血腫は、痛みがなければ放置してもよい疾患ですが、爪下血腫ができた場所によっては爪が剥がれるリスクがあり、全治までに長期の治療も必要となります。

深刻な病状ではないが、爪に違和感を抱えたままでのトレーニング継続は、フォームの崩れやプレーの癖をつけることにもなりかねません。

そこで今回は、スポーツと爪の専門家である一般社団法人アスリートネイル協会 認定アスリートネイルトレーナーの大塚裕司氏に、爪下血腫について正しい対処方法などを聞きました。この記事を読んで、違和感ないトレーニングに役立てよう。

この記事を読むメリット

  • 爪下血腫ができて悩んだり、困っている人
  • 今まで爪下血腫の治療方法を知らずに我慢して放置してた人
  • 爪下血腫の痛みを早い段階で取り除きたい人
  • 爪下血腫でスポーツのトレーニングに影響が出ている人
  • 爪下血腫の見た目を気にしている人

爪下血腫とは?

 爪下血腫とは、指を挟んだり、爪に重いものを落としたりすることで、爪と爪が密着している皮膚(=爪床)の間で出血してしまい、血液溜まりができる症状です。できた当初は赤紫色に見えますが、時間とともに真っ黒に変化します。

爪下血腫になりやすいスポーツ

  • サッカー
  • マラソン
  • トレイルラン
  • バスケットボール
  • ラグビー
  • その他、主に足を使用した接触プレーがある競技

爪下血腫の症状

爪床に損傷が生じ、血液が一ヶ所に溜まり凝固して、爪下に鮮紅色や紫色の不整形の斑点ができた状態。非常に激しいズキズキする痛みを引き起こす。時間が経つと徐々に暗紫色、黒色が目立つようになる。

大きさは、数mmから爪甲全体に覆うものまで様々。爪の外傷や変形を伴う場合もある。

全治には爪が生え変わる必要があるので、約数ヶ月から半年かかる。また、爪下に溜まった血液によって、爪が爪床から離れているため、血腫が小さくない限り、数週間で爪が剥がれ落ちることが多い。もとの爪の下に新しい爪が生え、伸びきれば古い爪に置き換わる。

爪下血腫の主な原因

足の爪

足での症例が多いが、爪の上に物を落としたり、踏まれたりすることで、爪の下が出血して起こる。サッカーや陸上競技などのスポーツ、マラソンなどの長時間の走行がきっかけになる場合もある。外傷の覚えがなくても、(きつめの)靴の中で指先が摩擦されると爪の下に出血が生じることがあるのだ。

爪自体が硬いことと、爪の下には硬い末節骨があるので、内出血の逃げ道がない状態となる。このため、皮膚の中の圧力が高くなり、眠れないくらい痛い夜を過ごした後、翌日になって受診するというアスリートも多い。

手の爪

ドア等に指先を挟んだ場合に同様にして起こる。

病原性の有無

病原性による原因はあまり考えられない。

爪下血腫の注意事項

爪下血腫は、爪が暗紫色や黒色に変化するが、症状の識別には細心の注意を図りたい。なぜなら、爪下血腫よりも極めて重度となる、爪の下の腫瘍でも似たような暗紫色の斑点が生じることがありからだ。

悪性黒色腫との違い

爪に突然に生じる色素病変のために爪部に起こった色素性母斑(いわゆる、ほくろ)や爪の悪性黒色腫(ほくろの癌)も外見上は、暗紫色や黒色の斑点として現れる。明らかな外傷の覚えがないにも関わらず、爪に色素斑が生じた時は、皮膚科を受診することをおすすめする。

悪性黒色腫との見分け方

識別方法は、大きくは2パターンある。

①症状の発生の仕方

爪下血腫の損傷による斑点が数分以内に現れるのに対して、腫瘍による斑点は徐々に現れてくる。

②経過観察

爪下血腫は、時間とともに(爪の伸びとともに)黒色斑点は爪先の方へ移動するが、腫瘍による斑点は、時間が経っても移動しない(腫瘍は爪の下の同じ部位に留まる)

悪性黒色腫(メラノーマ)とのより詳しい見分けについては、こちらの記事が役立ちます。

”爪の症状から悪性黒色腫を見分ける”

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爪下血腫の治療方法・経過観察

爪下血腫による斑点は、爪の成長とともに約数ヶ月から半年で改善することが多いため放置されることがほとんどである。しかし、爪での物理的損傷が高度の場合には、時間の経過ともに爪甲が脱落することもある。

爪を失っては、爪圧がかけられず、効率の良いトレーニングは期待できない。

また爪の斑点が大きい場合は、痛みを伴い、爪の変形も合併することで日常生活に支障を及ぼす原因となる。その際は、爪甲に小孔をあけ、貯留した血液を除去する。

ちなみに、外的衝撃が強い場合には、指の骨折を合併していないかが疑われる。病院でレントゲンを撮ることも念頭に入れておくと良い。

爪下血腫の血液除去

爪甲に小さな穴を開けて血液を排出することによって、痛みが軽くなる。通常、針を回して開ける方法、または加熱したワイヤーを用いて爪に軽く押し当てると爪が熱で溶けて穴が開く。この方法は痛みがなく、数秒しかからない。

いずれの方法も、爪下で炎症が残っている場合があるので、細菌等が侵入しないように注意が必要だ。

アスリートネイルトレーナーによる施術

爪下血腫によって、爪が脱落してしまった場合は、違和感を抱えたままでのトレーニングとなるので、著しく効率が落ちる。しかし、ネイルトレーナーは脱落した爪甲の代わりに、人工爪(=義爪)をつくり、違和感ない状態をつくることができる。

爪下血腫は、外的衝撃が爪母や後爪郭に及んでいた際、新しく生え変わる爪もしばらくは形が色が悪い爪が伸びてくる。アスリートネイルトレーナーは、爪下血腫の経過も把握し、爪の生え変わり周期を踏まえて、半年スパンでの改善計画を提示できるのでアスリートのパートナーとしては心強い存在だろう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

  • 爪下血腫は、外的衝撃により爪下に血腫が溜まった状態
  • 悪性黒色腫との識別に注意をする
  • 放置しても治癒するが、一日も早い違和感のないトレーニング復帰には治療が必要
  • アスリートネイルトレーナーは、爪甲脱落後に人工爪をつくることで違和感ないトレーニンングができる状態をつくれる。

爪下血腫は、月単位での治療となる。アスリートにとっての月単位の時間の損失は大きい。また、爪に違和感を抱えたまま無理してのトレーニング継続は、フォームの崩れやプレーの癖をつけることになりかねないので、正しくトレーニング環境をつくり、効率的に行うことを考えたい。

一日も早いトレーニング復帰は、一日も早い試合出場につながる。それはスポーツファンが一番望んでいる姿だろう。


爪の各部位の名称や機能については、以下の記事を参照いただきたい。

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