【解説まとめ】匙状爪甲(スプーンネイル)の原因と予防方法!反り爪は爪切りと鉄分摂取でダブル予防

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画像引用:公益社団法人日本皮膚科学会

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素手や素足でするスポーツでは、爪が反り返っているアスリートがいます。これは、匙状爪甲(さじじょうそうこう)または別名でスプーンネイルと言い、この名前の通り、スプーンですくう面を上に向けたような状態になっている爪のこと言います。

匙状爪甲は、爪が変形して見えるので、菌による感染を疑う人もいますが、その心配はほとんどありません。しかし、スポーツをする上では 爪圧 がうまく働かず、パフォーマンスの低下を招く結果につながってしまいます。

匙状爪甲とは何か?その原因と予防方法をしっかり学び、スポーツパフォーマンスを取り戻せる内容で今回の記事をまとめました。

アスリートでなくても、日常生活でも匙状爪甲は起こる原因はあります。しっかりとした知識を身につけ、爪のトラブルを回避しましょう。

この記事はこんな方におすすめ

  • 爪の反り返りが気になっている方
  • 素手や素足で競技するアスリート
  • 日常生活で重いものを運んだりする方
  • 匙状爪甲の原因と予防方法を知りたい方

匙状爪甲とは

匙状爪甲は、爪甲 全体がスプーン状に凹んだ形状になる症状です。爪の中央部分が陥凹して、爪先や爪の両側が上向きに反り返った状態の爪を言います。

匙状爪甲になりやすいのは、シューズやグローブを使用せず、素手や素足で指の腹から強い力が長期的に加わってる方です。特に親指、人差し指、中指で、この3本は力が加わりやすい指ですので、匙状爪甲がよく見られます。

人間本来の爪の機能としては、指先の感覚を研ぎ澄ませるための役割を担っています。骨は指の先端まで行き届いていないので、小さなものを掴む動作は、爪があるからこそできるのです。

しかし、匙状爪甲は、爪が反り返ってしまうことで指の腹から加わった力が爪で100%受けられず、一部が逃げてしまいがちです。

つまり、爪圧 が発揮できない状態となっているので、アスリートの匙状爪甲は、真剣に改善することをおすすめします。

匙状爪甲になりやすいスポーツ

長期的に重い荷物を持ち上げたり、踏ん張ったりする競技では匙状爪甲になりやすいので要注意です。

また日常生活でもそのようなシーンがある場合は気をつけましょう。例えば体重をかけて指圧するマッサージ師には、匙状爪甲になる方がいらっしゃいます。

  • ウエイトリフティング
  • マッサージ師
  • 素手や素足で長期的に指先に負荷がかかるスポーツ

匙状爪甲の症状

匙状爪甲は、健康なピンクの爪よりも少し厚みが出たり、茶色や灰色に変色する場合があります。爪が反り返りますが、痛みやかゆみはありません。

大人は職業的な負荷から手に匙状爪甲が見られることが多いですが、子供の場合は足の爪に多く見られます。これは成長の生理的なものが大きく関与しています。

例えば、赤ちゃんにも匙状爪甲は散見されます。出生から乳幼児の時期は、まだ爪がとても薄いので匙状爪甲になりやすい爪なのです。

けれども、この時期の匙状爪甲は異常ではありません。赤ちゃんが痛がらなければ爪は成長とともに厚く強くなっていくので、次第に正常な爪に成長します。素足で遊ぶ幼児も同様で、足指の腹から加わる力に爪が耐えきれないため足の爪がスプーン状に変形することがありますが、靴を履くようになると正常な爪に戻ります。

匙状爪甲の主な原因

解説してきたように、匙状爪甲(スプーンネイル)の原因は、指の腹から加わる力で要因になっていることは想像できるかと思います。

しかし、もっと正確に言うと、匙状爪甲は、爪の強度と外的な力のバランスが崩れた時に起こる症状と説明できます。

匙状爪甲になる根本的なメカニズム

こちらの図を見てください。

画像出展:匙状爪の発生機序 - 東 禹彦

下からの矢印は、指の腹から加わる外的な力(=外力)を示しています。

指先に外力が加わると、まず指の骨が力を受け止めますが、骨がない部分の外力は、皮膚を通して、爪にかかってくるのです。

この時、爪の強度が外力と同じか、それ以上であれば健康で正常な爪を保っていられます。

しかし、匙状爪甲は、この力のバランスが崩れ、爪の強度が外力よりも弱くなった時(=爪が外力に耐え切れなくなった時)に起こります。

外力の方が強いから、骨がない部位では、爪が反り返ってしまうということです。

この視点で考えると、爪の中央部が陥凹する匙状爪甲には、2つの見方があります。

  1. 爪の中央が凹んだ、という一般的な見方
  2. 爪の周囲が上方向に反り返った、という見方

上の図で解説した内容と照らし合わせると、後者の方が適切な表現と言えます。実際、医学研究の中では、次のように説明されています。

指趾末節部のレントゲン写真を見ると、末節骨は末節の途中までしか存在せず、幅も爪甲の幅より狭いのである。したが って、指腹に力が加わった場合に、その力は末節骨が存在しない部では爪甲が支えることになる。このように考えれば、匙状化が生じる理由は簡単に理解し得る。要するに、爪甲の硬さと指腹に作用する外力の強さにより、匙状になるかどうかは決定されるのである。

匙状爪の発生機序 - 東 禹彦

このことを踏まえた上で、匙状爪甲(スプーンネイル)に影響がある、3つの主な生活要因を見ていきましょう。

①爪の厚さによる要因

これは赤ちゃんや生後1〜2歳までの乳幼児の例で解説しました。この時期は、爪がとても薄く柔らかいので、外力に抵抗する強度を爪が持ち合わせていないからでしたね。

成長要因は個人差がありますので、児童期に入った子供にも見られる場合があります。

しかし、大人であっても爪が薄くなっていると、同様に匙状爪甲が起こる原因になることは知っておきましょう。爪のケアができてなくて爪周りが荒れている、ジェルネイルの繰り返しで爪が薄くなってきているという話はよく聞きます。

匙状爪甲の公式である「爪の強度 < 外力」とならないように、普段から爪ケアをしっかりしておくことが大切です。

②爪切りの要因

爪の厚さがあっても、爪の切り方によって匙状爪甲は起こります。

例えば、爪全体を丸くラウンド型に整えた場合や、爪甲側縁 を短く切った場合が挙げられます。

どうして、爪の形で匙状爪甲の起こるのでしょうか?

それは、爪が丸くラウンドしたり、両側縁を短く切りすぎると、爪が長期的に指の腹から加わる力を支持できなくなるからです。

それでは、爪が指の腹からかかる外力に耐えるには、何が必要でしょうか?

それは 爪甲 の両側が 爪床 としっかり密着していること。具体的にはスクエアオフに爪を整えるのことが必要。爪を切る時に、爪甲の両側を丸く切ってしまうと、外的な力を面で支持することができなくなり、爪が反り返ってしまうのです。

③栄養不足の要因(主に鉄分)

外部からの力による原因の他に、体の内側にも原因はあります。外的な力が強くなくても、爪自体に強度がなければ「爪の強度 < 外的な力」となり、匙状爪甲になってしまいます。

体の内部要因として、一番注意したいのが鉄分不足。鉄分不足は、爪が弱くなると言われています。

爪は硬ケラチンでできていますが、爪を作る栄養素はたくさんあります。その中でも大切なのが、鉄分です。

鉄分は、血液中のヘモグロビンの材料になり、酸素や栄養素を体中に運んだりする大切な栄養素。肌や骨、髪を丈夫にするコラーゲンの合成にも欠かせません。爪は体の末端にあるので、ただでさえ血液から栄養が行き届きにくいものです。

めまいや顔面蒼白などがある鉄欠乏性貧血の方は、爪甲が正常の場合に比べて弱いため、匙状爪甲にになりやすい傾向があります。

鉄分は日本人に不足していると言われていますが、良質な動物性たんぱく質やビタミンC、ビタミンB12を含む食品と一緒に食べると吸収率がアップするので、食べ合わせも意識して摂るようにしましょう。

匙状爪甲の注意事項

匙状爪甲がスポーツにとって良くない理由は、爪圧 が発揮できないことにあります。爪圧は、指の腹から加わる力に対しての反力の大きさと言い換えられますが、爪の形が上に向いていては、反力が働かないからです。

日頃から爪の形、厚さ、爪のアーチの具合を触りながらチェックする習慣をつけて、爪の異変を感じとることが健康で丈夫な爪をキープする第一歩です。

ちなみに、匙状爪甲で病院で診察を受けると、血液検査で貧血や栄養状態の悪化を調べた後、慢性的な外力がかかる動作がないか確認されます。どちらにも当てはまらない場合は、皮膚疾患である可能性を疑い、爪や周囲の皮膚を検体として採取し検査を行って原因を特定していきます。

匙状爪甲の予防方法

匙状爪甲(スプーンネイル)には、兆候があります。それを捉えることで、早期発見と改善ができるようになります。

匙状爪甲がどのような順序で起こるのかを見ていきましょう。

匙状爪甲の発生過程

爪は急に反り返りません。必ず段階があります。その段階とは、慢性的な外力を受け続けることで、次のステップを踏みます。

  1. 正常な爪
  2. 爪の扁平化
  3. 匙状化
正常な爪は、縦のアーチが指の腹側(=下方向)に向いている

匙状爪甲の一番の改善方法は、指先への外的な力をなくすことですが、アスリートはスポーツで 爪圧 を常に使っているので、それはできません。

ですので、予防する方法として、おすすめなのが次の3つです。

  • 爪の両側を短く切らないようにし、スクエアオフに整える
  • 栄養バランスの良い食事を心がける
  • 毎日爪を見て、扁平化の変化に気付けるようにする

これらは習慣化することで難なくできる予防法です。毎日のルーティーンにするなどして、生活に取り入れることをおすすめします。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

  • 匙状爪甲は、スプーンネイルとも呼ばれている
  • 匙状爪甲の原因は、指の腹からかかる長期的な外力によって起こる
  • 「爪の強度 < 外力」になった時に匙状爪甲になる
  • 発生過程は、爪の扁平化を経て匙状爪甲に発展する

爪の強度で鉄分の話をしましたが、女性の場合、月経による出血で1日に失われる鉄分の量は男性の約2倍もあります。妊娠中は胎児に鉄分が優先的に分けられますし、授乳期には母乳と一緒に鉄分が対外に出ていきます。

自身の体のコンディショニングに耳を傾けながら、今回紹介した予防方法を実践するのは最初は難しいと思いますが、大切なことですのでしっかりと習慣化できるようにしましょう。

繰り返しになりますが、日頃から爪の形、厚さ、爪のアーチの具合を触りながらチェックする習慣をつけて、爪の異変を感じとることが健康で丈夫な爪をキープする第一歩です。


爪の各部位の名称や機能については、以下の記事を参照にしてください。

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爪の構造図

(参考)匙状爪の発生機序 - 東 禹彦
    爪の変化 – 東 禹彦(聞き手:山内俊一)

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