森に裸足で立つ

深爪が危ない!スポーツ傷害の鉄板予防法は誰でも簡単にできる爪にあった

記事レベル ★★☆☆☆
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スポーツをする上で、なかなか意識が向かないのが「爪」

しかし、爪のトラブルは関節のトラブルに発展することはご存知だろうか?
人間には体を守る無意識の防御機能が備わっている。痛みがある部位を自然とかばう動作を行ってしまうのだ。

アスリートにとっても例外ではない。日常生活よりも負荷が高いアスリートは、その影響を大きく受ける。

競技によっては、戦略的に深爪にする場合もあるだろう。しかし、深爪は、爪トラブルの根本であるケースが多い。深爪がスポーツに与える影響を把握することで、自身の戦略及びどう対処するのが良いかを判断したい。深爪とスポーツの関係を紐解いていこう。

この記事を読むメリット

  • 深爪が、スポーツ傷害の元である関係性が分かる
  • 足を使うアスリートにとって、爪のリスクを理解できる
  • 接触プレーで踏ん張りがきかない理由が分かる
  • 爪の形を知ることで、瞬発力を発揮することができる
  • サッカー、ラグビー、陸上競技などの足を使う競技の支えとなれる

深爪がおよぼす体へのトラブル

なぜ、深爪はスポーツに悪いのか?
結論から言うと、アスリートが持つ本来の力を発揮できない要因が、深爪だからである。

そもそも深爪とは?

深爪は、指の皮膚の際まで深く爪を切ることで、爪床が露呈するまで爪甲が内側に入った状態のことを言う。つまり、爪切りが直接的な原因だ。

深爪が起こす爪の症状

深爪は、爪甲による防御機能を失った状態だ。指先からの外的衝撃から守る術がなくなり、時として末節骨(=指先の骨)がダメージを受けやすくなる。
また、細菌が指先から体内に入りやすくもなり感染に非常に敏感な状態でもある。

深爪による爪の代表的な発症は、化膿性爪囲炎や二枚爪、爪の割れ、爪甲剥離などが挙げられる。

中でも深刻なものが、陥入爪と巻き爪である。これらは激しい痛みを伴う場合があり、一刻も早い治療をすべきだ。

爪トラブルが及ぼすスポーツへの悪影響

たとえ、痛さを我慢できるレベルだとしても、我慢している分、足首や膝、股など可動域の関節に負担をかける動きになっているはず。前述したように、痛みを無意識にかばう防御機能(=代償運動)が働いているためだ。

悪影響を受けやすいのは「関節」

その防御機能は、関節に負担をかける。それも意識できないくらいに少しずつだ。だから、タチが悪い。少しずつダメージが蓄積していき、ある時に悲鳴をあげるのだ。

そもそも負担をかけるということは、人間本来の動き方になっていないことだ。関節への負荷は、ちょっとした接触で体のバランスを崩すなど、顕在して現れる場合があるので見逃したくない。

悪影響を助長するアスリートの特異性

人間の防御機能は、日常生活においては何ら問題はない。しかし、アスリートは同じ動作を何度も繰り返し行うことが、日常生活者とは異なる。その反復が、爪から関節トラブルを引き起こすトリガーとなり得るのだ。

手で言うと、爪から指の関節、手首、肘、肩へと、また足の場合は、爪から足底腱膜、足首、膝、腰へである。

身体の不調は、末端から起こる。最末端の手先足先の「爪」には注意を払いたい。

アスリートは爪とどう向き合うべきか?

爪には神経が通っていない。まず認識すべきはここです。

爪は、痛くない。
 ↓
痛くないから無理がかかっていても気付きにくい。
 ↓
気付かないからダメージが蓄積し、症状は進行していく。
 ↓
しだいにスポーツ傷害へと発展する危険がある。
 ↓
原因は「爪」の可能性があることを疑わない。
 ↓
根本的な解決には至らない。

この悪循環を断ち切るマインドが大切。そのためには「爪には神経が通っていない」ことに意識を向け、トレーニングのブレイク中に爪を見る習慣をつけると良い。

もし違和感を感じたら、まずフォームのチェックをするといいだろう。専属トレーナーはアスリートの癖を把握しているから見てもらうと、身体のバランスの崩れを客観的に判断できるのでおすすめする。

パフォーマンスを上げる爪の育て方

まず見直すべき具体的な対処方法は、爪の切り方にある。爪を正しく切るためにも、爪のアーチ構造を少しおさらいしたい。

爪のアーチ構造の役割

手も足も、爪はもとよりアーチを描き少し巻いている。これは怪我から守るために、人間が進化の過程で獲得した爪の構造だ。

例えば、爪の端を何かに引っ掛けてしまった時を考えてみよう。

アーチがなく紙のように平らな爪だと、爪はたやすく上向きに折れたり、簡単に剥がれてしまう。爪のアーチ構造は、このように衝撃を吸収し、怪我を引き起こさないよう守ってくれているのだ。

海峡や大河にかかる橋の橋桁もカーブがかかっている。橋を通るトラックなどの荷重にしっかりと耐えられる構造になっているのだ。

爪のアーチ構造については、次の記事で深く学ぶことができるので、参考にしていただきたい。

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足の爪の正しい切り方

過去に足の爪を切る時に、端までしっかりと切りにくかった経験はないだろうか。足の爪、特に親指は、左右の端が皮膚に埋まっていたりするためだ。

深爪で爪の端までしっかり切れていないと、皮膚に隠れたところで爪の端は鋭利に尖る場合がある。その尖がった状態で爪が伸びると、徐々に皮膚に刺さっていき指の肉を傷つける。これが結構痛い。また、感染症の原因にもなるので注意が必要だ。

足の爪の正しい切り方は、以下に示す図の通り(これをおすすめする)

爪の付け根と平行になるよう爪先を整え、両端の角は若干落とします(ネイル用語では、スクエアオフと言う)

正しい爪切りの図解
爪先が指先から出ないように
正しい爪切りの図解(平行線あり)
爪の根元と平行に切る

指の形に合わせて丸く切ったり、爪の根元と平行にならないように切るのはNG。

正しくない爪切りの図解
指のラウンドに合わせて切るのはNG
正しくない爪切りの図解(平行線あり)
爪の根元と平行になっていないのもNG

画像出典:Runners Pulse「爪の重要性とランナーの爪」

こうすることで、足も正しく体重を受けることができる。ちなみに、スポーツにおいては、パフォーマンスを最大限に発揮するため、スクエアオフの切り方をするのが良い。

意外と知らない足の指先の大切な役割

また足の指先には体重の荷重を感知している部位があり、その部位でどのくらいの荷重がかかっているかを無意識に感じとって、人は体重の負荷をコントロールしバランスを保っている。

しかし、深爪だとコントロールがうまくいかない。感知する部位が体重に対して過剰に反応してしまい、時には指に違和感を感じることがあるのだ。爪が適度な長さを保てていると、指先の感知部位に対して「面」で圧力を感じることができるが、深爪だと「線」で感じることになるからである。

過剰反応が出ないようにするには、その部位に体重をかけない歩き方をすること。例えば、親指に違和感を感じる場合は、親指に体重をかけない歩き方となるが、それは痛みをかばう防御機能が働くということ。体のバランスを崩した動作になり、アスリートのパフォーマンス発揮には程遠く、関節を痛めるリスクを抱えることになる。

ちなみに、体重を支えるにあたり、指は、足裏前部にかかる自重を支える補助的な役割をしており「指の反力の約40%は親指が受け持っている」という研究もある。

(参考)
 正常人の歩行時における足裏反力の測定
 小学生の足指筋力と体力や生活習慣の関係について

まとめ

いかがでしたでしょうか?

その昔、軍隊では親指の付け根に体重を乗せるよう訓練されてたと聞く。全指のうち親指が40%もの力を支えているのなら納得の訓練だ。それほど歩く基本動作が重要なのが伺い知れる。

  • 爪の痛みをかばう人間の防御機能が、関節のトラブルに発展する場合がある
  • 深爪は、アスリート本来のパフォーマンスを発揮できない
  • 身体の不調は、最末端の爪から起こる
  • 深爪のすぐできる具体的対処法は、爪切りである
  • 足の爪の形は、スクエアオフがおすすめ

スポーツで足腰のトレーニングは基本だ。毎日必要な反復動作だからこそ、正しい知識でトレーニングを行い、故障の予防に役立てたい。
アスリートとして故障しないことは、試合観戦に来るファンを楽しませるだけではなく、クラブチームの経営を支える大きな要因になることを頭に置いておきたい。

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