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カジュアルでもスポーツでも靴屋に並んでいるシューズは、だいたい同じ靴紐の通し方をしてディスプレイされていることにお気づきでしょうか?
靴紐をジグザグに通しているのですが、一見同じジグザグに見えて、実は2種類の通し方があるのです。それが、オーバーラップシューレーシングとアンダーラップシューレーシング。シューレースとは靴紐のことですね。
対極にあるこの2つの通し方は、特徴も全く逆で、シューズの履き心地を一変させます。
アスリートにとっては、自分の感覚やスポーツ競技の特性を考えて靴紐を結ぶことで違和感ないプレーを実現し、最高のパフォーマンスにつなげることができます。
一体、靴紐の通し方でどんな違いが生まれるのか??
今回はオーバーラップシューレーシングに焦点を当て、メリットとデメリットを挙げながら、靴紐と足爪のトラブルの関係性を知って、怪我予防に役立つ知識を解説します。
アンダーラップシューレーシングについては、こちらの記事が役立ちます。
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この記事はこんな内容を書いています
- シューズとの一体感を得られるオーバーラップシューレーシング
- オーバーラップシューレーシングは足の甲が低い人に、力を発揮する
- オーバーラップシューレーシングの特徴とリスク
- どんなアスリートがオーバーラップシューレーシングに向いているか
靴紐の通し方の基本
シューズに靴紐があるのは、履く人に靴をしっかりとアジャストさせるためであり、シューズ自体に弾力性を持たせて怪我を予防するためです。そのために靴紐を通す時には、守るべき基本があります。
- 靴紐の通し方に、ゆるみがないこと
- 靴紐を締めるのが、左右均等であること
- 靴紐がねじれないように通すこと
この3つを守ることで、シューズと足がフィットし、シューズが持っている機能を最大限発揮できるようになると言えるでしょう。
シューズも靴紐も適度に締め、弾力性が保てる状態をつくることが履き心地につながってきます。
2種類ある定番のシューレーシングの違い
それでは、オーバーラップシューレーシングとアンダーラップシューレーシングの靴紐の定番の通し方の違いについて見ていきましょう。
オーバーとアンダーという名の通り、靴紐を穴に上から下に通すか、下から上に通すかの違いです。
- オーバーラップシューレーシングは、上(外側)から下(内側)に通す
- アンダーラップシューレーシングは、下(内側)から上(外側)に通す
どちらも基本的な通し方で機能性がありますが、それぞれに違った特徴があります。今回は、オーバーラップシューレーシングについて解説していきます。
オーバーラップシューレーシングの通し方
オーバーラップシューレーシングの通し方(結び方)を見ていきましょう。
※写真を一緒にご覧ください。
- シューズの先端側の穴から順に、靴紐を穴の上(外側)から下(内側)に通す
- 左右交互に通すと仕上がりがキレイになる
- シューズの足首側の最後の穴だけは下から上に通す
- 靴紐を結ぶ
平ひもを通す時は、穴でねじれないように注意しましょう。
CONVERSEのYoutube動画では、より詳しい手順で紹介されています。
オーバーラップシューレーシングの特徴
オーバーラップシューレーシングは、アンダーラップシューレーシングと対極の特徴を持っています。
靴紐を上から下に通すオーバーラップシューレーシングは、靴紐が締めにくいデメリットがある反面、その分、靴紐が緩みにくくなります。
そのため、瞬発力が求められるスポーツや、フットワークが必要なアスリート、短距離ランナーに向いていると言われています。
また、結び方が比較的カジュアルであることも特徴の一つ。ビジネスシューズやスニーカーでも頻繁に使われている通し方です。
特徴 | メリット | 最適な競技 | |
---|---|---|---|
オーバーラップシューレーシング | ・紐が締めやすく、緩みやすい ・紐の交差が、靴の内側にできる | ・足をしっかりホールドできる ・足甲が低い人向き | 短距離ランナー 瞬発力必要 フットワーク必要 |
アンダーラップシューレーシング | ・紐が締めにくく、緩みにくい ・紐の交差が、靴の外側にできる | ・シューズ内にゆとりがある ・圧迫感がない ・足甲が高い人向き | 長距離走 マラソン |
最大の特徴は、足全体のホールド感
オーバーラップシューレーシングの最大の特徴は、靴紐の交差が靴の内側にできるので、シューズのベロをしっかりと抑え込むことができ、足の甲へのホールド感がアップすることです。
足の甲が低いアスリートにマッチするシューレーシングと言えます。
オーバーラップシューレーシングのメリット
オーバーラップシューレーシングのメリットをまとめました。
- タイトなフィット感で足裏の感覚がダイレクトに伝わる
- 瞬発力が求められる競技
- フットワークが必要なアスリート
- 足の甲が低い
- スパイクとの相性抜群
オーバーラップシューレーシングで注意すべき足と足爪のリスク
オーバーラップシューレーシングにもデメリットはあります。
その主な例が次の3つです。
- 靴紐の締め方が悪いと足の甲が窮屈になり、しびれを感じる
- 平紐のねじれがあると、足の甲を局所的に圧迫してしまう
- 足爪の長さが適正でないと、タイトなシューズ内で爪当たりが強くなる
いずれもシューズを履く時の気をつけるべきポイント。基本的なことだが、これが守られていないために、トラブルを抱えるケースは少なくありません。
オーバーラップシューレーシングは、タイトなフィット感が得られるが足への締めつけが強くなることは忘れてはいけない。そこで足のダメージを計る自己検診の方法を紹介しようと思う。
ランナー向け足と足爪のダメージを知る自己健診
自分の足や足爪が今どのような状態になっているかは、裸足になって手の平で足をくまなく触ってみると良い。
足のどこに 胼胝 があるか?
胼胝ができている箇所は、シューズとの摩擦や圧迫が起きている可能性が高い。
足爪のアーチは、どの程度のカーブになっているか?
シューズの先端左右に圧迫されて、爪のアーチが巻き爪のようになってきていないかチェックすることも大切です。
爪下血腫が起きていないか?
爪の長さが長いと爪先がシューズの内側に当たり、爪の根元に爪下血腫が起こる場合があります。
胼胝と巻き爪と爪下血腫。この3つを調べるだけでも、足への負担と将来的な怪我のリスクは予測できるものです。詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
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ヒールカップが合っていないと靴紐は通せない
また、靴紐はしっかりと通して結べていても、ヒールカップが合っていないことで結果的に不適切なシューレーシングとなってしまう場合もあります。ヒールカップを合わせるとは、シューズの踵を合わせるために靴紐を締める前に踵を地面にトントンとする動作のことです。
このようにオーバーラップシューレーシングでシューズをタイトに履くということは、足や爪への負担が少なからずあることは意識しましょう。
トレーニングや練習が終わった後は、シューズも足もしっかり休息をさせることが大切です。
アンダーラップシューレーシングの記事でも怪我予防について触れましたが、適切な爪の長さを保つ日々のネイルメンテナンスの他、爪先での足指同士の圧迫を軽減する5本指ソックスを使用することもおすすめの方法です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
- 靴紐の通し方により、履き心地に変化がある
- オーバーラップシューレーシングは、下(内側)から上(外側)に通す
- オーバーラップシューレーシングは、フィット感が得られる
- タイトに履く分、正しい履き方でないと足や足爪トラブルにつながる
オーバーラップシューレーシングは、瞬発力が必要なスポーツに最適ですが、裏を返すと足に瞬間的なパワーが加わること多く、強いダメージを受ける可能性があると言えます。
その分かれ道が、靴紐の通し方。人の足の形は変化していくものです。定期的にプレー中に足や足爪に意識を向けてみることで、自身のコンディションを絶えずチェックしていくと、より強いアスリートを目指せるのではないでしょうか。