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ささくれは、小さな傷ですが、ふとした時に刺すような痛みが出ますよね。一般的には乾燥しやすい冬の季節に、指先をよく使っているとなりやすい症状です。
しかし、痛みを取り除こうと、ささくれを無理に剥いてしまうのは良くありません。より深刻な病状を招いてしまうことがあるからです。
アスリートにおいては、ささくれは冬に限らず悩まされる問題です。今回はささくれの適切な対処方法について解説します。
この記事はこんな方におすすめ
- ささくれにいつも悩まされている方
- 体操や投擲スポーツをやっているアスリート
- 爪の根元のラインがガタガタになっている方
- 指先のめくれが気になる方
- 水仕事が多い方
ささくれとは?
ささくれ は、爪の付け根を覆っている 後爪郭 やその周りの皮膚の部分が剥けた状態のことを言います。洋服を着替えている時に指先にチクッとした痛みがあって、皮膚がめくれ上がっていた経験はありませんか?
これが「ささくれ」で、「さかむけ」とも呼ばれています。
ささくれになりやすいスポーツ
指先を使うと指の皮脂分が少しずつ失われていきます。
スマホの画面やガラス窓を手で触った時に指紋がつきますよね?これは、指の皮脂分がガラスに付着しているから指紋がつくのです。皮脂とは、毛穴(皮脂腺)から出てくる脂分のことです。
スポーツではボールや器具を持ったり触ったりしますが、この繰り返しにより思った以上に指先から皮脂は失われていきます。
例えば、次のスポーツをしているアスリートは気をつけたいですね。
- 野球のピッチャー
- ボルダリング
- 体操
- 陸上
- 鉄棒
- やり投げ、ハンマー投げ
- 重量挙げ
- 他、滑り止め(炭酸マグネシウム等)を使用するアスリート
ささくれの症状
ささくれ は、爪甲 の周囲や付け根の皮膚が自然と細かく裂けて剥けてしまう皮膚の病状です。
めくれ上がった皮膚は角質ですが、無理やり取り除こうとすると繊維状に裂けてしまうので、かえって傷が広がってしまう場合があります。また皮膚の表層だけだった傷口が、より深くなってしまうこともあります。
ささくれは、食器洗いなどの水仕事でヒリヒリとしみたり、着替えの時に洋服の繊維にささくれが引っかかってズキッと痛むことがあります。そのような時は剥けた皮膚がさらにめくれて痛みが酷くなってしまったりするでしょう。
どちらにしても痛みがあった後にささくれに気付くことが大半なので、なかなか防ぎようがないと思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、ささくれは、原因をしっかりと知れば、予防することは誰にでもできる症状です。
それでは、ささくれの原因を見ていきましょう。
ささくれの主な原因
ささくれの原因は、大きく3つに分かれます。
指先を使うことで起きる「乾燥」
ささくれは、冬になると多い症状と言われています。外気温が低くなり、空気が乾燥してくると、自分でも気づかないうちにささくれが起きていることがありますよね。
一つ目の原因が「乾燥」です。
人の肌には、水分と脂分があるので乾燥から皮膚を守ってくれています。もう少し具体的に言うと、肌にある皮脂腺から分泌される皮脂と、汗腺から分泌される水分が混ざって乳化することで、皮脂膜が作られ乾燥から皮膚を保護しているのです。
しかし、湿度が低くて寒い冬は、皮脂と水分が出にくい状況が起こり、皮脂膜が作られにくいので、ささくれができてしまいます。
水分の喪失
空気の乾燥が続くと、肌の水分も失われていきます。その結果、皮脂膜がなかなか作れず、手荒れが起こり、弱い爪の周りの皮膚から細く繊維状に裂けてきてしまうのです。
皮脂分の喪失
冬は、手洗いや水仕事に温かいぬるま湯を使うと思いますが、お湯を使い続けることで、肌から徐々に水分を失われていきます。
食器洗いですすぎをする時にお湯ですすぐと洗剤の泡は綺麗に流れやすくなりますが、この時皮脂膜もダメージを受けて皮脂分が流されてしまうのです。
「栄養バランス」の偏り
2つ目の原因は、栄養バランスの偏りです。
皮膚や爪は、たんぱく質でできていますが、健康な皮膚や爪を保つには、たんぱく質だけではなく、
- ビタミンA
- ビタミンB2
- ビタミンE
- ミネラル
などの他の栄養素も必要です。
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中でもビタミンAの主な役割は、皮膚や粘膜をつくる栄養素ですので、肌の乾燥を防止し、肌のバリア機能を高める効果があると言われています。皮膚や爪の新陳代謝が活発になれば、ささくれの状態も良くなるでしょう。
参考までに「ささくれが親不孝」と言われる所以は、親の言うことを聞かずに、夜更かしや不摂生で生活習慣の乱れから体調を崩してささくれになる、と言われています。
このように生活習慣が乱れて栄養バランスが偏ってくると、ささくれができやすくなります。
化学物質の使用
3つ目の原因は、化学物質の使用です。
化学物質とは、石鹸、食器洗いやお風呂洗いなどの洗剤類の他、各種競技のアスリートが滑り止めとして使う炭酸マグネシウムも含みます。
洗剤類については、「皮脂分の喪失」で解説しましたが、通称「タンマ」と呼ばれる炭酸マグネシウムを滑り止め材として使用するアスリートも多いでしょう。しかし、タンマは皮膚や爪の乾燥を招いてしまいます。
ささくれの注意事項
ささくれは、無理に剥がそうとしてはいけません。無理に剥がすと傷口が深くなってしまうことがあります。しかし、黙って放置しておくことも着替えなどで引っ掛けて傷口が広がることがあります。
ささくれは、皮膚疾患の一つです。小さな傷だからと適切に処置しないと、傷口から細菌が入って化膿したり、化膿が進んで 爪周囲炎 などと重症化するケースも報告されています。
新型コロナウイルスの侵入先とならないよう感染症予防に心がけたいですね。
ささくれを発見したら、それ以上傷口が広がらないように適切な処置と日頃からのケアを習慣にすることが大切です。
ささくれの治療方法・経過観察
それでは、ささくれの適切な処置とは、どのようなものでしょうか?
ここでは4つの方法を紹介します。
傷を広げないため「根元からカット」
ささくれは、皮膚も爪も同じ方法で症状を改善することができます。
ささくれを発見したら、傷口が広がらないようにまずは根元からカットしましょう。消毒した眉ハサミや爪切りでも簡単にカットすることができます。
また、日常生活で水仕事が多い場合には洗剤が沁みるかもしれませんので、防水絆創膏や液体絆創膏の他、刺激が少ない洗剤やゴム手袋を利用することがオススメです。
乾燥対策に基本の「保湿」
皮膚や爪を乾燥させないことが大切です。
手洗いでは、少しぬるい程度のぬるま湯(33〜35℃度)がオススメ。手洗い後は、しっかり水気を拭き取ること大切です。水気が残っていると気化した時に皮膚の水分も一緒に持っていかれてしまうからです。
また、手洗い後にハンドクリームを塗るとより大きな効果が期待できます。
ハンドクリームも今はベタつかずにさらさらするタイプもありますので、上手に選ぶようにしましょう。
あと、就寝時は保湿ができる一番のチャンスです。保湿力の高いハンドクリームを使用して、手袋を着けて眠ることでハンドクリームの成分がしっかりと浸透し、乾燥に負けない皮膚と爪をつくることにつながります。
バランスの良い「栄養摂取」
栄養面では、次の食べ物に気を配りましょう。
- ビタミンAが摂れる鶏レバーやアナゴ、バター、ほうれん草
- ビタミンBは肌荒れ防止に効果あり。レバー、乳製品、アーモンド
- ビタミンCを多く含む果物や野菜
- ミネラルが摂れるきのこや海藻類
- たんぱく質が摂れる肉・卵・チーズ・魚・豆
まとめ
いかがでしたでしょうか?
- 人の皮膚は、水分と皮脂分で乾燥から守っている
- 指先を使うほど、皮膚の皮脂分は失われていく
- ささくれは、乾燥と栄養バランスの偏りで起きやすい
- ささくれは、無理に剥がさない
- ささくれを見つけたら、根元からカットすることが良い
ささくれは、小さいうちの処置が大切です。ささくれを見つけたら、先の細いハサミやニッパーで根元からカットし、保湿クリームなどで傷口を守りながら皮膚の潤いを保つようにしましょう。
爪の各部位の名称や機能については、以下の記事を参照いただきたい。
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