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陥入爪は、巻き爪 と並んで日本人の多くが悩みを抱えている足爪の症状です。発症すると、走るやフットワークなどの足先に体重がかかる度に痛みを感じ、満足にパフォーマンスの維持ができなくなってしまいます。
陥入爪は、巻き爪 とどう違うのでしょうか?その共通点と違いについて解説していきます。
この記事を読むメリット
- 陥入爪がどうして起こるのか?が分かる
- 陥入爪のリスクを抱えているスポーツが分かる
- 陥入爪の予備軍がどのような状態か分かる
- ラグビー、サッカーなど足をよく使うアスリートが予防に活かせる
陥入爪とは?
陥入爪とは、爪のアーチが強く曲がったなどの理由で、爪の周囲の皮膚に食い込んで炎症を起こし痛みが生じる症状。足の爪のトラブルとして、症例が最も多い。
放置をしていると、いずれ爪に接している皮膚の肥厚などが起こり、激しい痛みを伴います。
陥入爪と巻き爪の共通点
両方とも初期原因は同じです。
足のアーチが崩れることで足指が浮いた状態をつくり、徐々に爪の彎曲が強くなるなどの理由で、爪と皮膚の位置関係が崩れ痛みが出ること。
多くは足の親指で起こるが、手足を含めてそれ以外の指でも起こることがあります。
陥入爪と巻き爪の相違点
相違点は、症状が進行した時に顕著に見られます。
陥入爪は、主に爪の切り残しが尖ることで皮膚を傷つけ炎症を引き起こすのに対して、巻き爪 は、爪の内側に皮膚を巻き込むことで痛みが出てきます。
また医学的には、陥入爪は巻き爪の一種と大別されています。
巻き爪は、「陥入爪」「弯曲爪」「爪甲鈎弯症」の3種類に分けられているのです。
巻き爪 … 爪の水平(横方向)の弯曲(アーチ)が強くなり、爪の端が弯曲して内側に巻き込み、指の先に食い込む症状。
陥入爪 … 爪のアーチが強く曲がったなどの理由で、爪の周囲の皮膚に食い込んで炎症を起こし痛みが生じる症状。
弯曲爪 … 陥入爪が爪の両側で起こり皮膚を「のの字」に巻き込む症状。
爪甲鈎弯症 … 爪甲が異常にぶ厚くなり異常に伸びて角のような尖った外見になる症状。年配の方に多く見られます。
陥入爪の症状
陥入爪は、最初は特に痛みも感じません。しかし、徐々に痛むようになってきます。特に爪が爪周囲の皮膚に食い込んでしまった部分が圧迫されると、激しい痛みを感じます。通常は、炎症した部分が赤くなり、熱を帯びることも出てきます。
治療せずに放置をすると、細菌が体内に侵入しやすい環境ができてしまうので、感染症が起きやすくなります。
感染すると、さらに痛み、赤み、腫れがひどくなってきます。爪が陥入した皮膚の下に膿が溜まって、肉芽腫を生み、爪周囲炎 という別の症状を引き起こし悪化に繋がる。
さらに炎症が進行すると、皮膚が化膿し、不自然な歩き方になったり、歩行困難にも陥ってしまいます。
足の痛みをかばう動きは、足首・膝・腰などに負担がかかり、足や膝が痛くなったり、腰痛を起こす原因にも。
陥入爪は根本から治療しなくてはなりません。手術はその選択の一つです。
しかし、一番良いのは、陥入爪を起こさないように普段から予防することです。
陥入爪の主な原因
陥入爪は、爪が皮膚に陥入すること起こります。
爪の変形や爪周囲の皮膚が異常に速く成長して爪の一部を包むようになることが発症要因です。
大きく分けて、次のようなことが原因に挙げられます。
- 先天的な要素(生まれながらの爪の形)
- シューズ(爪先を圧迫するような窮屈な靴)
- スポーツによる強打(足指への外的衝撃)
- 爪白癬(水虫)
- 肥満
- 爪切り(深爪)
- 正しくない歩き方
- 第I趾が陥入し、さらに貝殻のように重層化しているケース
この中でも、深爪が最も多い原因と言われています。
陥入爪は、巻き爪の一種と伝えたように、巻き爪と同じ理由で起きますので、巻き爪の主な原因の詳細については、巻き爪のページも参考にしてください。
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陥入爪になりやすいスポーツ
主な原因でも挙げたように、スポーツの場合は、シューズと足指への強打が陥入爪を引き起こすので気をつけたいですね。多くのスポーツで足腰が基本。走る止まるの繰り返しが想像以上に足の爪に負担をかけていることを意識しよう。
陥入爪を引き起こす、主なスポーツを挙げます。
- ランニング
- ウォーキング
- 陸上競技
- サッカー
- バスケットボール
- テニス
- バレーボール
- バレエ
- ボルダリング
- その他のジャンプや爪先に負荷がかかるスポーツ
陥入爪の注意事項
足の爪は、歩く時や走る時などに重要な役割を果たします。次の一歩を出す直前、足の爪先が必ず地面を蹴り出しています。
この時、足指にはアスリートの体重が乗っていますが、それを支えているのは爪です。爪がなければ、力強い蹴り出しができず、スポーツパフォーマンスを発揮することができません。
この地面を蹴る力を「爪圧(そうあつ)」と言います。爪圧については、こちらの記事をご参照ください。
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陥入爪は、初期症状であれば対処がしやすいですが、症状が進行するほど怪我のリスク、復帰までのリードタイムが大きくなっていきます。
アスリートは、爪が伸びるまで休むことはできません。しっかりとケアできていないということは、トレーニングならいざ知らず、練習や試合で自身の力を100%発揮できない環境を自身でつくっていることに繋がります。
陥入爪の治療方法
もし陥入爪になってしまった、もしくはその傾向が感じられた時は、どのように治療や予防すればいいのでしょう。
軽度な初期症状の場合
軽度な陥入爪であれば、コットンパッキング法があります。
これは陥入している爪の周りの皮膚を少し押し下げ、皮膚に隠れていた爪の端をゆっくり持ち上げます。そこに消毒滅菌したコットン(綿)を挟み、爪が皮膚にこれ以上陥入しないようにします。
爪がまっすぐ伸びてくるようにコットンで矯正するイメージです。症状によっては、コットンではなくて、柔らかいチューブを挟むこともあります。
激しい痛みを感じる場合
しかし、痛みを伴う症状の場合は、麻酔を打った上で陥入した爪を切除することになります。炎症の原因が物理的に取れるため、通常であればこの処置で治り、足爪の負荷を見直せば再発もしません。
陥入した爪を切除する方法は、大きく2種類あります。
保存的治療(手術で切らない方法)
- 軟膏療法 : 清潔にし、軟膏を塗布する方法
- テーピング法 : テープで固定する方法
- ワイヤー矯正法 : ワイヤーで矯正する方法
外科的治療(手術で切る方法)
- 切除し縫合する外科手術
- フェノール法
フェノール法とは?
主に陥入した爪の端を根元まで切除する外科的治療で、切除した後、フェノールという薬品を切除した爪の根元部分に塗布して、その部分の爪母を壊し新しい爪が生えてこないようにする方法です。
・縫合や抜糸の必要がない(重症の場合は除く)
・出血が少なく、患者負担が小さい。
・手術した日から入浴することができる。
・保険診療の対象となる。
フェノール法は、爪の左右幅を失うことにつながってしまう。アスリートにとっては、爪圧が減少する結果を招くため、できれば避けたい治療方法です。
一方、自分で処置しようとすると、爪が変形してきたり、より陥入を招くケースもあるので、自分がアスリートであることを申告した上で必ず医師と相談し、治療方法を考えたいですね。
陥入爪のおすすめ予防方法
正しい歩き方、走り方ができていると陥入爪の予防に非常に効果的です。
正しい歩き方は、後方重心にならず、足裏を使った重心移動を意識することが大切。
- 踵から着地
- 足の外側縦アーチを通って小指の付け根に体重移動
- 足の横アーチを伝って、足の親指に重心をズラす
- 最後は、足指を使いしっかり蹴って歩く
人は、日常生活でも平均一日7,000〜8,000歩歩いていると言われます。この繰り返しが、爪のアーチを適切に保つ良い刺激となり、陥入爪の予防に繋がる最も簡単な予防方法です。
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まとめ
いかがでしたでしょうか?
- 陥入爪とは、爪が爪周囲の皮膚に食い込み炎症を起こした症状
- 陥入爪は、巻き爪と並んで日本人の多くが悩みを抱えている
- 主な原因は、深爪によるもの
- 放置すると、代償運動で足首・膝・腰などに痛みが出る
- アスリートが治療する場合、爪圧を気を配り医師と相談する
爪のトラブルは、自覚はあっても痛みが出るまでは見過ごしがちです。しかし、対処を後回しにしていると、症状はどんどん重くなっていってしまいます。
新しい爪が生まれる爪母を傷めないためにも、何か爪がいつもと違うな?爪に違和感を感じるな?と思ったら、症状が軽いうちに専門家に相談しましょう。
傷口が化膿すると、歩行困難になってしまうことを忘れずに。そうなってしまうと、シーズン中の試合復帰は望めません。
理想的な状態は、毎日適切にケアすること。それは怪我の予防と高パフォーマンスを同時に成し得る最高のコンディショニングです。
相談先に困ったら、アスリートサロンの以下「爪の相談先」のページもご覧ください。
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