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野球のピッチャーにとって、爪や胼胝との向き合い方についての記事を書きました。ピッチャーにとって爪割れはつきもので、爪周りのケアをおろそかにしているとマメや胼胝ができ、爪割れを引き起こすという内容でした。
記事レベル 【この記事は、4分で読めます】野球選手の指先には、マメやタコが見られる人もいます。中には意図してマメやタコを除去せず、育てている選手もい[…]
長年連れ添ったマメや胼胝は、ピッチャーにとっては既に感覚の一部になっている実態もある。結局のところ、マメや胼胝は取ったほうがいいのか?
今回はマメや胼胝のメリットとデメリットを整理し、この内容についてもう少し深掘りしていこうと思う。
この記事はこんなことを書いています
- マメや胼胝に対して、アスリートが向き合う方法
- 指先にマメや胼胝ができた時に、爪に与える影響
- 胼胝のセルフケアのやり方と注意事項
マメや胼胝ができる原因
マメや胼胝は、皮膚の最も外側にある角質が、摩擦や圧迫などの外部刺激を受けて過剰に角質化する(=過角化)ことで起きます。
\ アスリートサロンLINEの登録は↓こちらをタップ /Emilio J. Rodríguez Posada / CC BY-SA記事レベル
ピッチャーで言うと、ボールをリリースする瞬間の擦れがこれに当たります。
マメや胼胝になりやすいスポーツ
胼胝は、一般的に手の平や足裏に起こるイメージが強いと思いますが、継続的に摩擦や圧迫を受ける部分なら身体中のどこにでも起こります。
アスリートの場合、シューズや競技道具、装具など擦れている部分は、胼胝の予備軍になり角質が硬くなっているかもしれません。競技に関わらず起きる可能性があるということです。
- ランニング
- ウルトラマラソン
- トライアスロン
- ウエイトトレーニング
- ボート
- テニス
- その他、ラケットスポーツ
ここで覚えておきたいのは、皮膚の角質が硬くなるということは、言い換えると皮膚が体が守ろうとする反応なのです。
つまり、胼胝は体を守ってくれているわけです。ですので、胼胝ができたら無理に取り除く必要もないと判断することもできるのです。ここが胼胝を取るのが一概に良いと言えないポイントですね。
アスリートがどう胼胝と付き合うべきかは、後程お伝えします。
スポーツをする上でのマメや胼胝の注意事項
アスリートにとってのマメや胼胝は、メリットか?デメリットか?
胼胝は無痛ですが、一長一短あります。
メリットとしては、体を守ってくれていること。スポーツ競技やプレースタイルによって、胼胝ができる部位は人それぞれです。
だから、そこに胼胝ができていること自体に意味があり、その人なりの理由が必ずあります。
もし胼胝がなければ、摩擦や圧迫でプレーに違和感が伴ってしまうでしょう。痛みなくプレーできているのは、胼胝のおかげと言えますね。
しかし、このような胼胝のメリット永続的に受け続けられるかというと、そうではありません。
胼胝のデメリットとしては、放置しておくで強い痛みを伴うことが挙げられます。胼胝ができた状態でもなお摩擦や圧迫が重なると、角質化が進み、芯ができて石のように硬くなります。もし足裏にできたとしたら、一歩踏み出す旅に小石を踏んでいるかのような圧痛に悩まされます。そして、より強い痛みを引き起こす鶏眼の発生につながってしまいます。
また胼胝が広範囲に及ぶと、ひび割れも出てきます。ひび割れが真皮層の生きた細胞まで達すると、痛みが出てくるので、こちらも注意が必要です。
マメや胼胝は自分で削ってもOKか!?
もし胼胝が進展してきたと感じたら、胼胝を削って取り除いてしまっても良いのでしょうか?そもそも素人でも取ることができるものでしょうか?
結論から言うと、胼胝を削り取っても体の機能的には問題が起こることはまずありません。深刻なダメージを負うこともないケースがほとんどです。
しかし、削りすぎには注意が必要。削りすぎてプレーに違和感を感じてしまったら、本末転倒ですので注意しましょう。
ちなみに、今まで胼胝があった部分を削ると、また短期間のうちに胼胝ができてきます。胼胝は体の防御反応だと伝えましたが、胼胝としては元の状態(=削る前の状態)に戻って、また体を守ろうとするからです。なぜなら、その厚みの胼胝があったからこそ、体が守られていたからですね。
アスリートがマメや胼胝とうまく付き合う方法
マメや胼胝のメリットだけを享受するには、なかなか塩梅が難しく一朝一夕にはいきません。それは胼胝が自分にとってどれくらいの厚さがベストなのかを見つけ、その厚さをキープしないといけないからです。
しかし、逆を言うと、自分のプレーを支える胼胝の状態をうまくキープすることで、トラブルが少ないベストなパフォーマンスを維持することも可能でしょう。
そのためには、日々観察しておくことが大切。そうしておけば、少し厚くなった、角質化が進みすぎて痛みが出てきたと異変に気付くことができるので、安定したコンディションを保つことができるようになるでしょう。
考えなければいけないのは胼胝と爪との干渉
しかし、指先にできるマメや胼胝は、判断が大きく変わります。
冒頭でも伝えたとおり、爪周りのケア不足でマメや胼胝ができると爪割れを引き起こしてしまうからです。野球のピッチャーは指先に胼胝ができることが多い。そしてその硬くなった胼胝は、ボールリリースの際に爪を圧迫します。
指先については胼胝は取り、爪を強くすることをおすすめします。しかし、長年連れ添ったマメや胼胝の場合は違う。ピッチャー本人と相談しながら感覚に狂いが出ないように徐々に胼胝から爪へと感覚をシフトしていくのが一番良いでしょう。
例えば、オフシーズンを利用して集中してケア方法が挙げられます。
マメや胼胝の手入れ方法
もし自分で胼胝を削ってメンテナンスをしようという場合には、少しずつすることが大前提です。理由は、前述の通りで、削りすぎるとプレーに違和感が起こる可能性があり、集中できなくなるからでした。
厚くなった角質層を少し削り、プレーをする。また少し削り、プレーをする。
何回もケアすることはくどいように思うかもしれませんが、これを繰り返すことを自ずと感覚がつかめてくるはずです。
マメや胼胝を手入れする手順
さて実際に「胼胝を少し削ろう」「胼胝が厚く広くなってきたな」と感じた時に、セルフケアでどのようにしたらいいのでしょうか?
無理をしない前提で、極力リスクが少ない方法を紹介します。
- 胼胝はいきなり削ろうとせず、まずは角質を柔らかくしましょう。入浴やシャワーを浴びることで胼胝は柔らかくなります。フットバスもOK!
- 柔らかくなったら、フットケア用のグレーターや胼胝用のやすり、軽石でこすり、胼胝や古くなった角質を取り除いていきます。
- 表面が乾いてきたら、もう一度濡らします。乾いた状態でこすると熱を持ちやすく、皮膚を痛めてしまうからです。
どうしても硬くて取れない場合は、サリチル酸が入った外用薬を塗り込むことで皮膚が軟化し削りやすくなります。また塗った後にラップで覆っておくとより効果的です。ラップの外から触って胼胝が柔らかくなったと感じたら、少しずつ削っていきましょう。
また、自分では難しいと感じたら無理をせず、フットケアサロンなどに行くことをおすすめします。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
- マメや胼胝は、角質層が摩擦や圧迫などの外部刺激を受けてできる
- シューズや競技道具、装具など擦れている部分は、胼胝の予備軍
- アスリートは、体を守る胼胝の厚みを覚えてキープすると良い
- 指先にマメや胼胝ができた時は、爪に与える影響を考えるべき
- 胼胝のセルフケアは常に濡らしておくことが大切
少し難しい話だったかもしれませんが、一番大切なのはアスリートの感覚です。ミリ単位で凌ぎを削るアスリートにとって、わずかな感覚でも重要です。直近の試合のスケジュールによっては、ケアするタイミングを計るべきと考えてください。
トレーニングにおいては肉体改造は聞き慣れた言葉になりましたが、オフシーズンにおいて、胼胝と爪の関係を見直すことも体質改善に繋がると