第14回 湘南国際マラソン

記事レベル ☆☆☆☆
【この記事は、3分で読めます】


2019年12月1日、神奈川県にある大磯プリンスホテルで「第14回 湘南国際マラソン」が行われた。本イベントでは、一般社団法人アスリートネイル協会による「ランナーの足を守る爪切り体験」が行われたので、その様子をレポートする。

イベント概要

日時:2019年12月1日(日)
場所:大磯プリンスホテル
   神奈川県中郡大磯町国府本郷546
種目:(1)フルマラソン
   (2)10km【一般、ユース】
   (3)2km【ジュニアユース、ジュニア、ファミリーラン親子】
   (4)1.4km【ラン&ウォーク】
主催:湘南国際マラソン実行委員会
後援:
神奈川県、大磯町、平塚市、茅ヶ崎市、藤沢市、二宮町、神奈川県教育委員会、大磯町教育委員会、平塚市教育委員会、茅ヶ崎市教育委員会、藤沢市教育委員会、二宮町教育委員会、朝日新聞社横浜総局、神奈川新聞社
(株)テレビ神奈川、横浜エフエム放送(株)、湘南ケーブルネットワーク(株)、(株)ジェイコム湘南・神奈川

ゴールしたランナーの課題

時刻は午前11時。
午前9時にスタートしたフルマラソンの選手がもう少しでゴールする頃だ。

ゴールゲートでは一足先に10kmランのランナーが続々とゴールしていた。皆、汗いっぱいだが、どこか清々しい。湘南の開放的な雰囲気の中、ゴールで仲間を迎えて互いの健闘を讃え、笑顔の花が咲いていた。本大会は仮装して走るものもいるほどだからどこか「お祭り」に近いのだろう。

次々とゴールするランナーたち

さぁ、いよいよフルマラソンの先頭走者がゴールゲートにやって来た。優勝は、山田祐生さん。記録は、2:22:54だった。

時刻にして、11時30分。
この後、男女合わせて300人ものランナーがサブ3を、5,000人弱のランナーがサブ4を達成した。

完走したランナーの多くはマッサージを受け、アフターケアに余念がない。次の目標大会へと意識が向いているのだろう。

ゴール脇のステージでは表彰式が行われた

しかし、時刻が午後1時を超えるとゴールゲートの様子が一変する。
肩で大きく呼吸をし、中には蒼白い表情の者もいる。ゴールタイムで4時間以上のランナーたちだ。

共通して言えるのは、歩き方がぎこちない。上り階段では、手摺を伝い手の力で階段を上がる。同時に足が攣るランナーもいて、階段はひどい渋滞を起こしていた。

彼らに、一体何が起きているのだろうか?

ランナーの悩みは、爪切り

一般社団法人アスリートネイル協会のブースは、屋内のケアブースにあり、無料の爪切り体験と有料の爪のケアが行われた。

ゴールタイム4時間以上のランナーが注意したいこと

「ちょっと爪を見ていただきたいんです」

40代の男性ランナーはそう言い、ブースに立ち寄った。差し出された足の指は既に乾いた血で赤茶けていた。負傷した足を引きずるように席に着いた。

「インターネットでスクエアオフがいいと聞き、昨日自分で爪を切ってみた。でも切り方が悪かったようで、尖った爪が隣の指を傷つけたみたいです」

確かに、人差し指の外側の爪が中指の肉に刺さり、針でえぐったような跡があった。走るたびに鋭い痛みがあったと容易に予想できる。

「どんな爪切りで切りましたか?」

担当したアスリートネイルトレーナーが聞くと、

「家にある普通の爪切り。どこにでもある指でつまんで使うものです。」

と答えた。クリップ型の爪切りだ。スクエアオフにするのは良かったが、やはり爪の切り方に問題があったようだ。

アスリートネイル ブース看板

「シューズを見せてください」

続いて、アスリートネイルトレーナーはそう言った。ランナーの足はエジプト型。一番長い指が親指で小指に向かうに連れて短くなっているタイプだ。

小さめのシューズによって左右の圧迫が生じ、人差し指が中指にキツく接していたのでしょう。爪を正しく切ることと普段のトレーニングでシューズ内の当たりを意識することで、適正なシューズ選びができるようになります。また今、足を引きずっていたのは指先をかばって膝に負担がかかる走り方をしていた可能性もあります。爪を整えることでより負荷がかからない足運びができます。ぜひ心がけてみてください。」

アスリートネイルトレーナーは応急処置をしながら、ランナーとコミュニケーションを交わしカウンセリング施術を終了した。

ランナーの爪に対する意識の低さ

考えられる問題点は、大きく2つあった。

  • 正しい爪の切り方をしていない
  • 爪を考慮に入れたシューズ選びができていない

特に爪切りは、日本では意識が低い。そもそも正しい爪の切り方を両親からしっかり教わった子供はいないのではないだろうか?また、学校でも教えていないのが多数であろう。

クリップ型の爪切りは、利き手ではない手でも使いやすく、大変便利なものである。

しかし、切り方を誤ると爪トラブルに発展する。

クリップ型の爪切り

例えば、少し巻き爪になっていたり、爪が指の肉に埋まっているような方は要注意。

クリップ型の爪切りでは、指の肉に隠れた爪を端まで切ることが難しい。

特に足の指は大変切りづらく、写真に示すようにクリップ型爪切りのカーブが災いして、切り残した爪の端が鋭角に尖ってしまうことがある。

この切り残しが、陥入爪の原因になる。

角を使っても切り残した爪が鋭角に尖ることがある

今回ブースに来た40代ランナーもこのケースであった。

強いランナーは爪への負荷もケアも知っている

タイムが遅いランナーほど、初心者〜中級者である可能性が高い。ランニングに関する知識も上級者ほど集まっていないのだろう。日常生活や10kmランのトレーニングくらいでは、異変が生じなくてもフルマラソンでは短時間に継続的に負荷がかかるので、完走後のダメージは未経験の領域になることが多い。

例えば、歩数の密度で換算してみると、負荷の程度が想像しやすい。
1日10,000歩歩くと健康と言われるが、睡眠時間を8時間としてこれを1時間あたりに直すと、625歩/時間。4時間のランナーが1歩1mの距離で走ると42,195歩となるので、10,548歩/時間。実に日常生活の約17倍もの負荷がかかっているのだ。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

  • ランニングに適した爪の形は、スクエアオフ
  • 爪の形、長さも踏まえた上で、シューズ選びをする
  • 強いランナーほど、情報収集が適切

ランニングは指先からの前に蹴り出す力が前進力を生む。その前進力に欠かせないのが爪だ。爪が機能しないと好タイムは期待できない。逆に爪を手入れするだけで自己記録を更新できる可能性だってある。

たかが爪、されど爪。爪は大切な人体の一部。生まれながらに持った自分自身の装備品である。ランニング人口がどんどん拡大する一方、長くランニングを楽しむ上で、爪の知識は近い将来、常識になるだろう。ランナーにとって新しい時代が来たのかもしれない。


※ネイルトレーナーは、一般社団法人アスリートネイル協会の登録商標です。

※第14回 湘南国際マラソン(英名:14th SHONAN INTERNATIONAL MARATHON) htthttp://www.shonan-kokusai.jp/14th/
神奈川県湘南を舞台に約22,000人のランナーが集まる人気のマラソン大会。第14回を迎えた本大会は、すべての人が“HAPPY”になる日 ~HAPPY for ALL~ として健康、音楽、食、エコと様々な分野から大会を盛り上げている。完走率は92.7%となった。

PR
この記事が気に入ったら、いいね!しよう