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日本のスポーツ業界では、プロ以上に高校スポーツの方が時に激しい練習をしていることもあります。
その例として、一番分かりやすいのが野球でしょう。プロ野球は先発ローテーションと投手の回復サイクルをもって試合に臨みますが、高校野球はそうではない。春夏の甲子園、その大舞台に向けた地区予選大会では、基本的にトーナメント方式。つまり、各チーム負けられない戦いの中、エース投手が連投する。
今回はその現場で起きた事実を元にした、悲しみのエピソードを一つ紹介します。
これを読んだら、スポーツとの向き合い方を改めて考え直すきっかけとなるのではないでしょうか。
この物語はこんな人に読んでいただきたい
- スポーツに真剣に取り組み、全国制覇を狙うスポーツ選手
- 子供のスポーツを応援している両親
- スポーツチームを持つ監督やコーチのみなさま
- スポーツを応援したい熱烈なファンのみなさま
ある高校球児の物語
「マウンドを降りろ」
突然、監督からそう言われたのは、甲子園 準決勝での戦いだった。
「どうしてですか??俺はまだ投げられる!」
その叫びは願いというより、悲鳴に近かった。
実はそう言われる予感はしていた。
毎試合、全力でボールを投げ続けた結果、昨日の試合で爪が割れていたのだ。しかし、気づいたのはマウンドの上。誰にも見られなかった。
俺は焦っていた。登板を外されたくない気持ちから、俺は監督やコーチには爪のトラブルを隠していたからだ。
高3夏、最後の甲子園。野球に打ち込んできた3年間を完全燃焼で投げ切りたい。その思い一点だった。
「手を見せろ!」監督は言った。
俺はとっさに隠した。
見せるべきなのは分かっている。ただ、見せたくなかった。数秒だっただろうか……俺にとっては長い間葛藤が続いた。
その時だ。コーチが後ろから俺の手を取った。
監督は、俺の右手を一瞥して言う。
「分からないと思ったか?もう限界だ。よくやった。」
何よりも一番悲しんだのは、両親だった。
俺はマウンドからベンチに向かった。
…くそっ、まだこれからだ、今がこの試合の勝負どころだ。自分が投げなくてどうする!!
しかし、その思考は声援に徐々にかき消され、しだいに何も聞こえなくなってきた。
そんな蒼白の心中でベンチに戻っていると、スタンドから注がれる視線が気になった。
ふと顔を上げると、両親がこちらを見ていた。
炎天下での必死の応援で顔は汗だくだったが、その表情は妙な静けさに満ちて、俺を見ていた。
目があった時、俺の心は激しく震えた。
夏の太陽のもと、汗の飛沫に紛れて、一際早く流れる雫があったのだ。
涙だった…。
爪には、半年前から苦労の日々を重ねていた
その理由は、誰よりも俺が一番知っていた。
両親は、俺を一番見てくれていたのだ。
発端は、半年前。
武器にしている変化球に磨きをかけるため、投球練習をしていた時、突然右手に痛みが走った!
右手を見ると、爪を半分横断するかのような爪割れを起こしていたのだ。
今までにも亀裂や割れはよくあった。
その際にはコーティング剤を使い補強していたが、今回の爪割れは、今までで一番大きくコーティングでどうこうできる状態ではないとすぐに分かった。
両親はネットで対処方法を検索してくれ、母は爪の補強ができるネイルサロンに連れて行ってくれた。
そこでは爪の表面をジェルで固めることで、人工爪を作ってもらった。
感触は良かった。
「痛みは、ない。これでまた投げれる。」
俺は両親に感謝した。両親も喜んでくれた。
しかし、ある程度練習を重ねるとジェルが取れて、また割れてしまう。
その繰り返しが始まった。
しだいに爪は表面がざらざらしてきて、爪自体が薄くなってきたようにも感じる。だからこそ、ジェルで補強を繰り返す毎日となった。
内心では、自分の爪の変化にうすうす気がついていた。
これは野球ができる正しい方法ではないんじゃないか、と。
ただ最後の甲子園は、もう2週間後に迫っていた。今を乗り越えるにはこの方法しかない。
家族で何回も話し、何回も調べ、家族一体となって臨んだ甲子園だった。
その家族総出の夢が、こんな形で決着を迎えた。
ここまで勝ち上がってきたのは、俺が投げ続けてきたからだ。
あと1試合でよかった、あと1試合だけ爪がもてば決勝戦!
勝ち負け関係なく、納得できる野球生活になったはずだった。
野球の爪を適切にメンテナンスできるアスリートネイル
このエピソードを、皆さんはどうご覧になっただろうか?
正しい爪のケアの方法が分からず、良かれと思って対処したことで爪がだんだん弱くなり、気がついた時には投げられなくなるほどに悪化する場合も多くあります。
アスリートネイル は、スポーツに特化した爪のコンディショニングの正しい知識と技術で、このような事態を予防できる爪のメンテナンスを行います。
爪を補強する方法は数多くありますが、その場しのぎではなく、半年後や一年後を見据えて爪のコンディションを良く導いていくことが、野球選手やアスリートにとって一番望ましい結果をもたらします。
爪が薄い、脆い、弱いなどの理由から満足に伸びることすらできなければ、練習の質も上がらないでしょう。何より高校という成長期に、質の高い練習ができなければ、長い選手生命で考えた時の損失は計り知れません。
まずは知っているか知らないかで、対応方法が分かれる。
爪のトラブルは、この分岐点にいる、ということを多くの野球関係者に伝えていきたいと考えています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
- 野球は、爪のトラブルが多く発生するスポーツ
- 高校野球は、時にプロ野球以上の練習負荷がかかっている
- 爪割れなどの爪のトラブルは、初期対処の仕方が重要
- アスリートネイル は、スポーツ専用のネイルメンテナンス技術
野球の経験者であれば誰しも爪に違和感を感じたことは多いと思う。日本で数あるスポーツの中でも、爪割れに悩むスポーツは野球がダントツです。
その割には爪のメンテナンスの方法が浸透しきれていないのは、爪のケア意識が低い日本そのものを現しているように考えられます。
逆に言うと、高校野球のチーム単位で爪のメンテナンスを導入できれば、練習の質が上がり、故障者を減らせるので伸びしろが大いにあるということでしょう。
海外では爪のケアは当たり前のようにやっている国もあります。日本でも、一日も早く組織的な導入を進めることが求められる時代に入ってきています。爪に着目すると日本のスポーツ文化の発展に寄与できる余地が大いにあります。