爪が痛いと感じたら…まず知っておきたい爪と神経のよくある誤解

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「指先を挟んでしまった」「爪が割れてしまった」など、爪が痛いなと思った経験は誰にでもあると思います。

でも、ちょっと待ってください。それは本当に爪が痛いのでしょうか?

実は爪のトラブルを解決する上で、ここに多くの人が陥ってしまう間違いがあります。

結論を言うと、爪には神経が通っていません。だから本当は爪自体は痛くはなりません。

それでは、実際に痛みを感じているのは、どこなのでしょうか?

今回は「爪が痛い」という時に、痛みの本当の原因と症状を的確に判断するためのポイントを解説します。

この記事はこんなことを書いています

  • 痛みと神経の関係
  • 神経の有無が体を守る仕組みとなる理由
  • 爪は痛みを感じないからこそ、生命を維持できる
  • 爪が痛い時は、何に注目するべきか?

爪が痛いとは?

爪が痛いと感じるのは、爪の周囲や爪と密着している「皮膚」が痛みを感じるからです。実は爪には神経が通っていません。爪切りをしても痛くないのはそのためです。

なぜ爪には神経が通っていないのでしょうか?

人の皮膚の表面は、体の水分を保ち、外から細菌などの異物が侵入するのを防ぐために角質層で覆われていますが、角質層には神経や血管が通っていません。爪は、角質層が幾重にも重なって硬くなった人体の部位なので神経や血管がありません。

爪が痛いとは、爪床 や爪周囲の神経が通っている皮膚が痛いということを覚えておきましょう。

痛みと神経の関係とは?

全身に巡っている神経

そもそも痛みは、どうして「痛い」と感じるのでしょうか?

痛みを感じる仕組みは、ファイザー株式会社が運営する「疼痛.jp」によると次のように説明されています。

切り傷や火傷、打撲などにより身体が刺激を受けると、「身体が傷ついた」という情報が発生します。その情報は電気信号に変換され、神経を伝って脳に届きます。脳がその情報を認識して初めて、「痛い」と感じるのです。

疼痛.jp

つまり、体が傷ついてから痛みを感じるまでには「神経」が関わり、痛みの正確な情報を伝える大切な役割を果たしているということが分かります。

神経が通っているから体が守られる

神経によって「痛み」を「痛い」と正しく感じることで、私たちは危険な状況をすばやく検知し、身体の安全や命を守っていることが分かりました。

それほど大切な神経なら、全身にくまなく通っていてほしいところですが、実際にはそうではありません。人体には神経がない部位があります。

どうして神経が通っていないのでしょうか?その体の部分とは、具体的にどこなのでしょうか?

結論をお伝えすると、神経がない人体の部位は、軟骨、毛、爪です。

神経が通っていないから体が守られる

なぜ神経が通っていないか?それは軟骨、毛、爪に神経が通っていたらどういうことが起きるかを考えれば理由が分かります。

もし軟骨、毛、爪に神経が通っていたら…

軟骨は、骨と骨が直接ぶつかることを防ぐ関節になる柔らかい骨です。私たちは関節を動かすことで、様々な動きができますが、その時、軟骨は骨の動きをスムーズにするために絶えず擦れています。

もし軟骨に神経が通っていたら、動く度に骨が擦れて激痛が走るでしょう。

また、毛は体温を保ったり、外からの刺激(紫外線、摩擦など)から体を守る役割があります。爪は、指先を保護したり、指先の微妙な感覚を研ぎ澄ませ物をつかみやすくする働きをしています。

毛や爪は一生伸び続けるので、定期的に適切な長さに整える必要がありますが、もし毛や爪に神経が通っていたら、毛や爪を切ることは痛すぎてできないでしょう。

このように人体には痛みを感じないことで、体の働きが守られる部位も存在します。

爪は痛みを感じないことで生命を維持する

神経があり痛みを感じることで生命活動を維持する、また逆に神経がなく痛みを感じないことで生命活動を容易にする。

爪は、後者にあたり、人体の中でも希少な体の部位だったのです。

爪が痛いのは、なぜ?

爪に神経がなく、痛みを感じないことは分かりました。それなら、私たちはなぜ爪が痛いと感じるのでしょうか?

「爪が痛い」と言う時、実際に痛みを感じているのは、爪の周囲の皮膚です。それを私たちは便宜上、爪が痛いと言っているにすぎません。

つまり、痛みを取り除くには、痛みを感じている皮膚にアプローチすることが必要なわけです。例を3つ挙げて解説しましょう。

(1) 爪の下の内出血(爪下血腫

爪下血腫で爪が真っ黒になった時は爪が痛いと感じますが、爪と密着している皮膚(=爪床)が血溜まりに圧迫されることで、皮膚が痛みを感じています。つまり、爪の痛みではなく皮膚の痛みを取り除くことが重要です。

(2) 爪と皮膚の間が痛い(爪周囲炎

例えば、深爪にしたり、ささくれ をむいてしまったりすると、爪と皮膚のキワに傷口ができることがあります。そこから細菌が侵入することで炎症を起こし、あたかも爪の縁に痛みを感じるようになりますが、実際に傷んでいるのは皮膚です。

(3) 足の親指の爪の横が痛い

足の親指によく見られますが、爪が変形することで爪と皮膚の間に隙間が生まれ、爪の内部や爪の縁に余分な角質が溜まることがあります。足指は全身の体重がかかる部分なので、溜まった角質は硬く圧縮され徐々に皮膚を圧迫し始めます。これが皮膚に刺さると、歩行のたびに爪と皮膚の間が痛くなります。

以前、あるアスリートが足の親指の爪の横が痛くて踏み込みができなくなったと悩んでいました。足の親指の爪が変形していたこともあり、爪ばかり疑ってい他のです。しかし、実際には痛みを感じる部分に硬い角質が溜まっていたため、これを取り除くことで嘘のように痛みが消えたという体験談がありました。

爪の痛みは、皮膚の痛み

このように一見「爪が痛い」と感じても、痛みの本質を見つけることが早期回復のカギです。しかし、爪は体の末端であり複雑な構造をしています。爪の構造をしっかりと理解している者でないと、痛みの根本原因までたどり着くことはなかなか難しいでしょう。

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まとめ

いかがでしたでしょうか?

  • 爪には神経が通っていない
  • 爪の痛みは、皮膚の痛みである
  • 爪の痛みの根本原因を知るには、爪の構造を熟知している者が必要

繰り返しとなりますが、「爪が痛い」と思った時は、痛みの根本原因をしっかりと見つけることが大切です。そうすることで適切に痛みにアプローチでき早期回復が期待できます。

自分では分からないことは、爪の専門家アスリートネイルトレーナーに相談しましょう。

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参考:中外製薬|神経

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