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医者は爪を見ます。その理由は知っていますでしょうか?
それは、爪の形や色からいろんな身体の健康のサインが読み取れる他、手術の際にはパルスオキシメーターという血中酸素濃度を測る器具を指先に取り付け、患者の状態をモニタリングするからです。それほど爪には身体の多くの情報が詰まっています。
爪は健康のバロメーターと言われている通り、昔から爪は健康を写す鏡として見られています。健康的な爪の場合、表面が薄ピンク色をしていますが、身体に不調が出ると様々な色に変化したり、形も変わってくることがあります。
そこで今回は、爪を見ることで分かる身体の健康状態について解説します。
この記事はこんな人にオススメ
- 自分の健康状態をチェックする方法を知りたい方
- 爪の色や形の異変について知りたい方
- 爪の細かな変化について知識をつけたい方
- 身体のコンディションに気を使っている方
健康な爪の状態
まずは健康的な爪について、おさらいをしましょう。
爪の主成分は、ケラチンというタンパク質の一種からできています。身近なものでは髪の毛と同じ成分です。
爪の成分の中には、水分が含まれており、割合は約12%~16%となっております。これは個人差がある他、季節や外気温によっても乾燥すると硬さが変わり、爪割れや亀裂やひび割れが起きてくる原因となります。
健康な爪の色は、薄ピンク色をしています。これは 爪床 を通っている毛細血管の色が透けて見えてからです。そのため、血液の健康状態によって、爪の色が様々に変わってくるのです。
また爪の形は、爪先 に向かってと左右方向に緩やかなカーブを描き、艶やかでツルツルしています。爪の厚さは、根元から 爪先 まで一定しています。
爪の色から分かる健康チェック
それでは具体的に爪の色から分かる健康チェックを見ていきましょう。
爪の色から分かる病状のまとめ
色 | 身体の病状の可能性 |
---|---|
白 | 貧血、ストレス、肝疾患、腎不全など |
黄色 | 爪の水虫、気管支の異常、甲状腺疾患、老化、薬飲用の影響 |
緑 | 緑膿菌による感染症 |
赤 | 多血症、脳梗塞、脳血栓、動脈硬化、心筋梗塞、心臓疾患 |
赤黒い | 肝硬変、肝臓病、ホルモン分泌異常 |
黒い紫 | 心臓病、肺疾患 |
黒い線 | 爪のほくろ、濃い色が続くと悪性腫瘍、癌の場合も |
※爪の色から分かる病状の可能性は、この表だけではありません。
人間の爪は、手足含めて20本ありますが、この表で示した爪の色の変化が、20本とも全体的に出てくることもありますし、一部の指に出てくることもあります。また、指一本の中でも斑点のように少しだけ変化が見られることもあります。
爪の色の変化は毎日爪を見ていないとなかなか気がつくことができません。自分では判断がつきづらい場合は、爪の専門家(アスリートネイルトレーナー)相談しましょう。
爪の形から分かる健康チェック
爪の周囲に何らかの皮膚トラブルがあると、爪は健康的にまっすぐに生えてきません。爪の色は身体の内部からの反応ですが、爪の形の場合は身体の内部だけではなく、外部からの要因もあります。
それでは、爪の形と、爪・皮膚トラブルの関係を見ていきましょう。
爪の形から分かる病状まとめ
形 | 身体の病状の可能性 |
---|---|
縦線が入る | 加齢(爪のシワ)、ストレス、睡眠不足、過労 |
横線が入る | 栄養不足、後爪郭 の荒れ、噛み爪 |
分厚い | 加齢、爪水虫、爪白癬 |
凹み | 栄養不足(タンパク質)、栄養バランスの崩れ |
巻き爪 | 外的圧力、不適切な爪切り |
二枚爪 | 水仕事、乾燥、衝撃、 マニキュアの除光液などの薬剤、不適切な爪切り |
さじ状爪 (スプーンネイル) | 鉄分不足、女性は子宮内の病気の可能性も |
※爪の形から分かる病状の可能性は、この表だけではありません。
手の爪は一日に約0.1mmずつ、足の爪は約0.05mmずつ伸びていきます。
また爪は何らかの異常があると、上の表のような形の変化が起きてきます。
言い換えると、自分自身の健康状態が少しずつ爪に刻まれているということになります。
病気になると爪に栄養が行き渡らず、爪の成長が抑えられて爪が凹みますし、爪に線が入っている部分が爪のどこにあるかで、爪の伸びる、いつ頃に体調の変化があったか判断することができるようになるでしょう。
アスリートにおすすめの健康チェック
ここでもう一つ、アスリートにおすすめの健康チェックをお伝えしましょう。
注目するのが、爪の根元にある 爪半月 です。
爪半月 は 爪の付け根に見える白い半月状の部位です。これは 爪母 の一部が爪の根本から覗いているもので、生まれたての爪が見えています。生まれたての爪は、爪床 に比べて水分量を多く含んでいるから白く見えているのです。
爪半月で体力・免疫力の低下が分かる
実はこの 爪半月 の面積を見ることで、アスリートに必須な健康状態を知るきっかけとなるので、ぜひ覚えておいてください。
爪半月 の面積が、少し小さくなったと感じた場合は、次の可能性が考えられます。
- 体力の低下
- 免疫力の低下
人によって、爪半月 の大きさは変わります。それは 後爪郭 が爪半月を隠していることもありますが、爪の根元の甘皮(=爪上皮)を除去することでも外見から見た面積は変わってきます。
またもともと爪半月が小さい方は、体力や免疫力が低下しているということではないので、安心してください。
大切なのは、普段から自分の爪を見ておくことです。面積が小さくなったかどうかは、毎日チェックしておかないと気づけません。おすすめなのは練習後のクールダウンやお風呂上がりなど。毎日の生活の中で決まったタイミングでチェックしていきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
- 爪は、身体の健康を反映するバロメーター
- 爪の色は、身体の内部からの危険信号(身体の器官や臓器)
- 爪の形は、身体の内部の他、外部からの影響も受ける
- 日頃から爪をチェックする習慣をつけると、異変に気付きやすい
- アスリートは爪半月も併せてチェックするとコンディション把握に良い
普段から自分の爪の状態をチェックすることが大切だとお伝えしました。
アスリートでも女性の場合、ジェルネイルやマニキュアをすることで、爪の色が外見から見えず、コンディションのチェックが取れないことがあります。女性でなく男性でも爪のケアが足りておらず、甘皮が伸びている状態だと見た目にも変化が出て、健康状態の異変を見逃しがちになります。
爪から分かる健康チェックの方法を知っても、爪の状態(=コンディション)がいつも異なると、正確な情報が得られません。
毎日爪を見る習慣をつけてご自身で判断する他、爪の専門家に相談しコンディションを的確に把握することで、ベストパフォーマンスを引き出していきましょう。