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最近のスポーツシューズの発展は目覚ましいものがあります。
人間工学に基づいた機能性を追求するだけではなく、デザインも幅広く、アスリートのアイデンティティを豊かに強調するスポーツイクイップメントに進化しています。とてもかっこいいですよね。
あなたも自分がなりたい選手に憧れて、その選手と同じモデルのシューズを選んだ、という経験はありませんでしょうか?
シューズ選びでは、サイズやデザイン、フィット感を気にして選んでいると思いますが、実は、もう一つ非常に重要な判断基準があります。
その基準を知らないと、無意識のうちに足や爪トラブルが起きやすいシューズを履いてしまっていることがあり、大変危険です。
その基準とは、足型(=足指の形)がシューズと合っているか。
- なぜ足型がシューズ選びに重要なのか?
- どうして足型を知ると、足や爪トラブルが少なくなるのか?
そんな疑問にスポーツと爪の専門家 アスリートネイルトレーナー がお答えします。自分の足型を知ることで、適切なシューズ選びをしましょう。
この記事はこんなことを書いています
- 足型を知ると、何が良いのか?
- どうしたら足型に合うシューズが選べるか?
- 足型別シューズとの相性で起こる注意したい足と爪のトラブル
足型とは
足型とは、裸足で砂浜を歩いた時に残る、踵から足の指までの足の形です。一般的に言う足跡であり、フットプリント(footprint)とも呼ばれます。
広義の意味では、靴を作るための足の木型であり、足の甲の高さを含めた立体的な形を写しとった型です。
この記事では、足型と爪の関係を取りあげますので、足の指の形に着目して解説します。
なぜ、足型を知る必要があるのか?
結論から言うと、自分の足型を知らずにシューズを履くと、次の3つのリスクが付き纏うからです。
- スポーツパフォーマンスの低下
- 足や爪トラブルの発生
- 慢性的なスポーツ傷害の誘引
スポーツパフォーマンスの低下は、アスリート自身の足型に合わないシューズ選びにあると言っても過言ではありません。
逆に、シューズを変えただけで足のグリップ力の改善が見られ、スポーツパフォーマンスが上がることが多くあります。
さらには、スポーツ傷害を予防し、選手生命の延伸にもつながるため、足型にあったシューズ選びは、アスリートにとって大変重要なスポーツギアなのです。
それでは、足型とシューズのミスマッチが招く問題点を紐解いていきましょう。その問題を解く秘密は、シューズ先端部分にありました。
足や爪トラブルは、シューズの先端で起こる
アスリートや生活者に問わず、一般的に 爪下血腫 や外反母趾、内反小趾などの足や爪のトラブルは、シューズの先端でよく起きます。
つまり、走ったり歩いたりの反復で、足指とシューズが繰り返しぶつかることによって、爪の出血や、骨や指の変形を招いてしまうのです。
さらに、足型とシューズが合っていないと、これがより顕著にあらわれます。
例えば、四角い形をした足型に対して、先端が丸いシューズを履くと、足指を内側に曲がった形に矯正してしまうことが容易に想像できると思います。
そのようなシューズでは、足指に力がかけられず、前に蹴り出す力やジャンプ力が弱まり、本来のパフォーマンスが発揮できません。ましてや将来的に痛みを抱えるリスクも背負っているとも言えるでしょう。
これが、すべての元凶です。だからこそ、アスリートには、自身の足型に合ったシューズが必要です。
続いては、どのような足型があるのか解説しましょう。
5タイプの足型
足型は、世界で5つのタイプがあると言われています。
エジプト型、ギリシャ型、ローマ型(スクエア型)、ドイツ型、ケルト型の5つです。この5つを見極めるポイントは、足指の長さです。
日本人は、最初の3つのエジプト型、ギリシャ型、ローマ型(スクエア型)が多いと言われています。
エジプト型
エジプト型は、親指が最も長く、小指にかけてなだらかなカーブを持つ足型です。日本人で一番多く、約70〜80%の日本人がエジプト型です。
親指が一番長い為、親指が靴の内側にぶつかりやすく、外反母趾を招きやすいタイプと言えます。
ギリシャ型
ギリシャ型は、人差し指が最も長い足型です。親指が人差し指より短く、人差し指から小指にかけての傾斜はエジプト型と同じです。日本人の約25%は、ギリシャ型です。
一般的なスポーツシューズにマッチする足型のため、シューズ選びの際は、足の甲高や足囲に注意しましょう。人差し指が突出しているため、シューズ内では人差し指がまず圧迫されて、足指が曲がって固定されてしまうハンマートゥの予防が欠かせません。
スクエア型(ローマ型)
スクエア型(ローマ型)は、親指と他の指の長さがほぼ同じ足型です。小指が若干短い程度です。日本人の約5%がスクエア型(ローマ型)です。
靴の先端が丸いラウンドトゥを履くと、親指と小指が内側に圧迫されるリスクがあります。スクエア型(ローマ型)は、足幅も広くなる傾向にあるので、靴選びでは幅と足囲に注意しましょう。
ドイツ型
ドイツ型は、エジプト型と同じく親指が最も長いですが、他の指はほぼ同じ長さです。
エジプト型とスクエア型(ローマ型)をミックスしたような足型です。
ケルト型
ケルト型は、ギリシヤ型と同様に人差し指が一番長く、親指と中指から小指はほぼ同じ長さの足型です。ケルトとは、ヨーロッパの中部と西部、現在の国ではスペイン、フランス、イギリスあたりの場所です。
ケルト型は、ギリシャ型とスクエア型(ローマ型)を合わせたような足型です。
5つの足型の特徴
イラストのように足型と靴のつま先の形が合っていると、シューズ内部で指が圧迫されることは軽減できます。
このように5つの足型の特徴と、それぞれに合う靴のトゥタイプの例を表にまとめました。
足型と靴の先端の相性が想像しやすいように、スポーツシューズ以外のビジネスシューズ、カジュアルシューズを例に挙げています。
自身の足型がどれになるのか?現在履いている靴は合っているのか?
ぜひ靴選びの参考に活用してください。
足型 | 日本人の割合 | 特徴 | 合う靴の例 |
---|---|---|---|
エジプト型 | 約70% | 親指が一番長い | ラウンドトゥ オブリークトゥ |
ギリシャ型 | 約25% | 人差し指が一番長い | ポインテッドトゥ アーモンドトゥ チゼルトゥ |
スクエア型 | 約5% | 全指がほぼ同じ長さ | ラウンドトゥ スクエアトゥ |
ドイツ型 | ごく僅か | 親指が長く、他の指はほぼ同じ長さ | ラウンドトゥ オブリークトゥ |
ケルト型 | ごく僅か | 人差し指が長く、他の指はほぼ同じ長さ | ラウンドトゥ アーモンドトゥ |
画像引用:革靴や靴磨きを発信するwebメディア
5つの足型と注意したい足と爪のトラブル
足型に合わないつま先の靴を選ぶと、シューズ内で足指が圧迫され、様々なトラブルを引き起こしてしまいます。
例えば、エジプト型の場合、足型に対して靴幅が狭いポインテッドトゥは、足幅が合わず親指が曲がった状態に。また逆に広すぎるラウンドトゥは、人差し指から小指までゆとりが多くて指が前に滑ってしまうことが挙げられます。
その結果、次のような表のトラブルを起こしかねません。
足型 | NGな靴の例 | 主な足トラブル | 主な爪トラブル |
---|---|---|---|
エジプト型 | ポインテッドトゥ 広すぎるラウンドトゥ | 外反母趾 開帳足 | 爪下血腫 巻き爪 胼胝 |
ギリシャ型 | 狭すぎるスクウェアトゥ 広すぎるスクウェアトゥ | 外反母趾 ハンマートゥ | 爪下血腫 胼胝 ウオノメ |
スクエア型 | オブリークトゥ ポインテッドトゥ | 外反母趾 内反小趾 開帳足 | 巻き爪 |
ドイツ型 | ポインテッドトゥ 広すぎるラウンドトゥ | 外反母趾 内反小趾 | 巻き爪 |
ケルト型 | 狭すぎるスクウェアトゥ 広すぎるスクウェアトゥ | 外反母趾 ハンマートゥ 開帳足 | 爪下血腫 胼胝 ウオノメ |
まとめ
いかがでしたでしょうか?
- 足型は、踵から足の指までを含めた足の形
- 日本人は、エジプト型、ギリシャ型、スクエア型の3タイプが多い
- 足型とシューズが合わないと、スポーツパフォーマンス低下やスポーツ傷害のリスクがある
足は人間のあらゆる動作を支える土台で重要な体の部位です。
知らないことが災いして無意識に自分に合わないシューズを履いてしまうと、足の変形や痛み、腰痛、姿勢の乱れ、むくみ、血流障害、足冷えなど、様々な体のトラブルを招きコンディションを悪くします。
アスリートも生活者も、体のコンディションサインをいち早く読み取ることは大切ですが、正しい知識をつけるだけで予防できる方法がたくさんあります。一つひとつ取り入れ、目的にあったシューズ選びで健康で充実した毎日を送りましょう。
次回から足のサイズの測り方や起こりやすい足爪トラブルについて解説します。