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オーバープロネーション(過剰回内)に関する以下の記事は、ご覧いただいただろうか。
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プロネーション(回内)は、歩行や走行で足で着地する際に、足首が内側に回ること。ジョギングやマラソンの着地では、足には体重の約3倍もの衝撃が加わるため、人間の足は足首を回すことによって衝撃を吸収するプロネーション(回内)という仕組みが備わっている。
オーバープロネーション(過剰回内)は、必要以上に足首が回り、足のアーチの機能(バネ、クッション、バランス)がうまく働かず、膝や腰、肩など、体全体に悪い影響を及ぼすとお伝えした。
お察しの方もいらっしゃると思うが、オーバープロネーション(過剰回内)は、足を使うスポーツに限った話ではない。腕を使うスポーツにも大きな影響を及ぼす。
なぜ腕を使うボールスポーツ等でもオーバープロネーションが深刻な影響を与えるのか?その理由を紐解いていこう。
オーバープロネーション(過剰回内)の腕への影響
オーバープロネーションは過剰な回内によって、言わば身体が内側に傾いている状態である。つまり、足首を支点として頭に近づくほど、ズレの幅が大きくなる。その様子を以下の図にまとめた。
投擲イメージとの致命的なズレ
野球のピッチャーで言うと、ボールを投げる瞬間、ボールの位置は地面から約2mの高さになるだろう。
オーバープロネーションがない正常な状態であれば、当然ながら、ピッチャーはイメージ通りに投球できる。
しかし、オーバープロネーションが起きている場合はどうだろうか?
オーバープロネーション(過剰回内)の角度1度のズレは、高さ2mの位置では、4cmズレることとなる。
つまり、自分ではイメージ通りに投球しているつもりでも、実際には身体の傾きによって、4cmズレた位置から投球していることになるのだ。
トレーニングの成果が期待できない
回内がより過剰に回っている状態であれば、ズレは4cmどころではなくなる。テニスやバドミントンなどのラケットスポーツであれば、打点がより高い位置となるので、ズレ幅は大きくなる。
足首で生まれたズレを投球フォームやスイングフォームで改善しようとしても、理想のフォームとはかけ離れたものとなるだろう。自然な身体の状態ではないので、体幹が崩れて、関節に余計な負荷をかける心配もある。
この状態でトレーニングを重ねても、一向に上手くならない。
まずはオーバープロネーション(過剰回内)を治すことに注力すべきと思う。
主な原因
足首の倒れ込みが大きくなると、体重による上からの過剰な負荷がかかり、ひざや腰のトラブルや故障を引き起こすことがある。
正常な衝撃吸収の仕組みを作用できなくなる具体的な原因として考えられるものは、次のような体質や姿勢に関することである。
- 骨盤のゆがみ
- 扁平足
- 下半身の筋力不足
- ランニングなどフォーム、姿勢
- 疲労
もし思い当たる節があれば、一度ご自身のセルフチェックを行なってはいかがだろうか?
日常生活への影響
オーバープロネーション(過剰回内)は、現代人特有の悩みである。それはトレーニングでより強い負荷がかかるスポーツ選手だけではなく、一般の日常生活者にも関係している問題だ。
生活シーンではどのような症状が関わっているのだろうか。その一部を以下に挙げる。
- O脚
- X脚
- 足のむくみ
- 足の冷え
- 太ももが太くなる
- お尻が横に広がって垂れる
- お腹がでてくる
- 反り腰
- 巻き肩
- 猫背
これらの症状があると、オーバープロネーション(過剰回内)も疑ってみると良い。放置していると歩行姿勢の崩れから外反母趾が見られるケースもあり、より生活困難な状況に陥る場合もある。
身体のバランスを損なうことで影響が全身に及ぶため、より日常的な身近な悩みの原因になっていることも意識していたい。
予防方法
オーバープロネーション(過剰回内)は、足底の筋肉が弱っていることが多い。
タオルを床に敷き、その上に足を乗せて、足の指でタオルを手繰り寄せて土踏まずの下にタオルを全部集める筋力トレーニング(=タオルギャザー)が有効だ。
- 適切なシューズを選ぶ
- 適切なインソールを選ぶ
- 筋力トレーニングする(後脛骨筋)
- 整体などで体のゆがみを矯正する
歩行姿勢が正しいか?足の踏力は問題ないか?を踏まえ、予防策が施されたシューズやインソール(中敷き)を使用することもおすすめだ。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
- オーバープロネーション(過剰回内)は、腕を使うスポーツにも影響する
- オーバープロネーション(過剰回内)状態でトレーニングを重ねても、一向に上手くならない。
- オーバープロネーション(過剰回内)は日常生活から見直すことが大切である。
オーバープロネーション(過剰回内)がなくなり、体幹を強化することで、スポーツパフォーマンスの向上が見込めるだろう。今回初めて知ったというアスリート、スポーツクラブチームの方がいたら、ぜひ一度見直す機会をつくり、積極的にトレーニングに活かしてほしい。