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人体の必須ミネラルに、ケイ素(=珪素)があります。
ケイ素は、土壌や植物に含まれるミネラルで、地球上で酸素に次ぐ二番目に多い元素です。
最近では、ケイ素に注目が集まってきていますが、それは、肌や髪、骨、血管、歯、軟骨、細胞膜、そして「爪」など、人体すべての臓器、器官を構成する必須ミネラルと考えられているからです。
実は体のほとんどに関わる元素は、ケイ素のみ。それだけに際立ったパワーと多くの役割を持っています。
しかし、現代人に一番不足している成分と言われるケイ素によって、私たちの体に深刻な問題が起きています。そのケイ素について紐解いていきましょう。
この記事はこんな人にオススメ
- ケイ素が持っている様々な機能とパワーを知りたい
- ケイ素とシリカの違いを正確に知りたい
- 食事管理はしっかりしているけど、体の不調が取れない
- 筋力トレーニングで効率的に筋肥大を狙いたい
- 慢性的に爪の割れや二枚爪が起こっている
ケイ素とは?シリカとの違い
よくミネラルウォーターの説明に「シリカ(ケイ素)が○mg含まれています」とありますが、厳密にはシリカとケイ素は違います。
ケイ素とシリカの元素記号
シリカとは、二酸化ケイ素、または二酸化ケイ素によって構成される物質の総称です。英語では「silica」と書きます。
シリカ(=二酸化ケイ素)の元素記号は「SiO2」となり、ケイ素「Si」に酸素「O」が2つ付いてたものとなります。
体に良いのはシリカの中のケイ素の部分
ミネラルウォーターの中には「シリカ水」として売られているものもありますが、これは二酸化ケイ素「SiO2」が水溶化して、イオン化したケイ素「Si」の効果を期待しているものです。イオン化したケイ素でなければ、体に吸収することができません。
またシリカが体に良いのではなくて、ケイ素「Si」が体に良いことを覚えておきましょう。
シリカは発ガン性がある!?
シリカとケイ素の違いに触れてきましたが、一方でシリカは発ガン性があるという声も聞きます。
厳密には、シリカは結晶性シリカと非結晶性シリカの2種に分けられ、国際がん研究機関(ACRE)が発ガン性があるのは結晶性シリカの方です。
結晶性シリカは石英など不溶性で結晶化したもの、非結晶性シリカはシリカゲル、高温加熱など加えていない珪藻土など水溶性のものです。栄養食品や食品添加物も水溶性ですので問題はありません。
ケイ素の働き
主な働きは、肌の保湿、髪、骨、爪の他、コラーゲンの生成に重要な役割があり、免疫力に影響を及ぼすとも言われます。
このことが理由で、ケイ素は「美のミネラル」とも呼ばれ、全身を構成する成分としては唯一のもので、国内外から注目が集まっているのです。
ケイ素が不足して起こる体調変化
現代人に不足していると言われているケイ素。ケイ素が不足すると具体的に、体にどのような変化が起きるのでしょうか?
まず、ケイ素の働きを整理すると、次のように考えられています。
- 骨、関節、肌、髪、血管、爪など、身体中に含まれている
- コラーゲンを作ったり、組織をつなげる働きを強くする
これが「働かない」ということを考えると、具体的な体の不調には、次のようなことが挙げられます。
- 抜け毛、切れ毛が出る
- シミ、シワが出る
- 爪や骨が弱くなる
- 動脈硬化が起こる
- 免疫力が下がることで、様々な病気への抵抗力が低くなる
このことからも、まさに全身で起こる不調になることが分かりますね。
なぜ現代人はケイ素が不足しているのか?
冒頭でお伝えしましたが、そもそもなぜ現代人はケイ素が不足していると言われているのでしょうか?
ケイ素は、もともと自然にある様々な食べ物から摂取できます。野菜、穀類、海藻、貝類、ミネラルウォーターなどです。
特にケイ素は土の中に多く含まれていますので、野菜や穀類にはたっぷり含まれています。
しかし、現代ではそれらを食べ物で補うことが難しくなってきたとされているのです。理由は、昔よりも野菜の摂取量も減ったことと、野菜に含まれるミネラルも減少したことにあります。
昔と同じ見た目の野菜や穀物でも、その中身が栄養分やミネラルが共に欠乏したものとなってしまったのです。
だからこそ、意識して摂取することが大切です。
一日に必要なケイ素の量
ケイ素の必要量は、成人で一日あたり約30mlと言われています。
ちなみに多く摂取しすぎても尿から排泄されることが分かっているので、ケイ素を体づくりや健康維持、アンチエイジングのために積極的に摂るのは良いことです。
ケイ素は体内で作れない
しかし、残念ながら、ケイ素は体内で合成することができません。
また体内に蓄えていたケイ素の量も、20歳をピークに加齢とともにどんどん減っていきます。30代を過ぎると、約半分以下になると言われています。
そのため。食べ物や飲み物と一緒に外から摂取するしか方法がありません。
ケイ素のおすすめ摂取方法
食品などの固形物で摂取することも可能ですが、ケイ素は水溶性なので、ミネラルウォーターなどで摂ることで吸収効率が良くなります。
またミネラルウォーターのように水溶で摂取すると、体内のアミノ酸や有機酸と反応しやすくなるので、ケイ素の力を体内でしっかり発揮できるようになります。
爪とケイ素の関係
スポーツで発生しやすいトラブルに、「欠けやすい爪」「割れやすい爪」「二枚爪」があります。また、日常生活でも爪の健康状態が悪いと、ひび割れや少なったり、ささくれができたり、乾燥でカサついたりします。
それらの爪トラブルは、ケイ素不足が原因かもしれません。
爪の主成分ケラチンとケイ素の関係
ケイ素は、細胞の組成を助ける働きがあるとお伝えしました。ケイ素は、爪の主成分であるケラチンやコラーゲンと深く作用し合いながら、細胞の結合組織を強化し、規則正しく束ねて密度を上げる役割をしています。
爪は三層構造から成っていますが、上のトッププレートは縦、真ん中のミドルプレートは横、一番下のアンダープレートは縦の方向に繊維が走っているのです。それを助けているのですね。
爪は栄養が行き届きにくい部位
爪は体の末端にあります。また生命維持の観点からは、爪は重要度は高くありません。そのため、爪はそもそも栄養が行き届きにくい部位だと覚えておきましょう。
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そのため、ちょっとした体の変化でも爪の状態は悪くなってきます。
「爪は健康のバロメーター」と言われるのは、身体全体の健康状態の変化をもっとも分かりやすく確認できる部位だからなのです。
爪の変化を追うことで体調不良を未然に防ぐ
逆に言うと爪の状態をしっかりと観察し変化を追うことで、様々な体調の異変に気づくことができます。爪にあらわれた栄養不足を特定し、改善することで他の体の部位にもっと大きな影響が及ぶのを防ぐことができるのです。
爪の主成分であるケラチンは髪の主成分であり、コラーゲンは肌をつくる成分でもあります。いくらタンパク質を摂取しても、ケイ素が不足した状態だと、体内になかなか吸収されなくなります。
大切なのは、ケイ素をうまく摂取し続けること。必要に応じてサプリを利用するのも良いでしょう。
爪のコンディショニングは外見だけでは成り立ちません。
特に爪は死んだ細胞です。ダメージを受けた部分は修復されないので、体の内側から健康的で強い爪が生えてくる環境をしっかりと作ることが必要です。
アスリートに役立つケイ素のパワー
アスリートにとって期待されるケイ素のパワーをまとめました。
- 骨や筋肉、臓器の強化
- たんぱく質の強化
- 代謝の促進
- コラーゲン生成や酵素の働きを促進
- 血流の改善(サラサラな血液)や肥満防止
- 栄養吸収率を高める
- 爪が割れにくくなる
- 体力の回復が早くなる
ケイ素を摂取して、髪にコシがでてきた、抜け毛が少なくなった、歯が白くなったなどの効果も出た例もあります。
ケイ素は、身体のアンチエイジングを保つアスリートの味方
また、酸化が激しいアスリートにとって、体のアンチエイジングは若々しくピーク期を保つのに効果が期待されます。
その意味では、次のような効果も女性アスリートにとっては嬉しいですよね。
- 肌に弾力が戻る、ハリがでる
- くすみやシミが薄くなる
- シワが目立たなくなる
エイジングケア業界では、コラーゲンそのものを摂るよりも、コラーゲンを生成を助けるのに効率の良い、ケイ素のサプリが重要視されています。
またアメリカの代表的な疫学研究の一つに「フラミンガム研究」という骨密度とケイ素摂取量に密接な関係があるというデータがあります。
ケイ素を多く摂取したグループ(1日40mg以上)と、最も少なく摂取したグループ(1日14mg未満)を比較すると、骨密度に10%近い差があることが分かりました。
骨粗鬆症の予防効果も期待される成分が、ケイ素なのです。
ケイ素で体力回復を実感したアスリートの声もあり
さらに、ケイ素をミネラルウォーターで飲み出してから、体力の回復が早くなったと感じるアスリートもいます。ケイ素は、水溶性で吸収が良いことの他、人間のエネルギーをつくるミトコンドリアを瞬間的に活性させる効果もあります。この点が元気になったように感じたと言われ、体力的にもパワーがキープできる理由なのでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
- ケイ素「Si」とシリカ「SiO2」は、別のもの
- 体に吸収されるのは、イオン化したケイ素である
- ケイ素は、骨、関節、肌、髪、血管、爪など、身体中に含まれている
- ケイ素は、細胞の結合や組成を助ける働きがある
- アスリートの体づくりとアンチエイジングに、ケイ素は効果がある
これまで見てきましたように、ケイ素は体の必須のミネラルです。体のほとんどの構造を作り組成を助けながら、免疫力を高める働きもします。
トレーニングや練習中は、発汗で失った水分やミネラルを補給することが優先にはなりますが、オフトレーニング時に日常生活の中でシリカが入ったミネラルウォーターを飲むことで、体の中からのパフォーマンスアップを支えてくれます。
ぜひ取り入れてみて、体の変化を観察するとスポーツコンディショニングに良い効果を発揮するでしょう。
【参考論文】ケイ素と骨密度との関連を示したフラミンガム子孫研究
「Dietary Silicon Intake Is Positively Associated With Bone Mineral Density in Men and Premenopausal Women of the Framingham Offspring Cohort」