2020年1月、B.S.TIMESの企画にて、プロレスラー 藤波辰爾氏をインタビュアーに迎え、当メディア「アスリートサロン」編集長 大塚裕司がインタビューを受けた。
プロレスの黄金期を駆け抜けて来た藤波氏。全盛期時代のプレーを振り返り、プロレスと爪の関係に何を思うだろうか?
スポーツと爪の関係、アスリートネイルを知る
大塚「スポーツと爪の深い関係を解いて、爪で日本のスポーツを強くする『爪のコンディショニング専門メディア – アスリートサロン』編集長の大塚と言います。よろしくお願いします。」
藤波「よろしくお願いします。大塚さんは、アスリートネイルというものをされていると聞きました。」
大塚「はい、アスリートネイルはご存知でしたか?」
藤波「いや、しっかりとしたことは。爪にいいことをするのだろうと思ってはいたが、どういうものですか?」
大塚「アスリートネイルは、爪の保護と強化をする技術で、アスリートの爪を守ります。藤波さんは、爪が割れたり、欠けたりした経験は、いかがですか?」
藤波「もちろん、ある。プロレスは激しいスポーツだからね。」
大塚「ですよね。実はその時、藤波さんは、自分の実力を100%出せてはいません。」
藤波「えっ、どういうことですか?」
大塚「人が投げる、走る時、全身のバネで力を伝えていきますが、集まった力が最後にかかってくるのが、爪です。その爪が割れたり、欠けたりして、しっかりと力を受け止められない状態だと、集めた力の一部が逃げてしまい、パワーロスが生まれてしまいます。」
藤波「野球のピッチャーは、よく爪が割れたりしてるよね?」
大塚「おっしゃる通りです。ボールをリリースする瞬間、爪に全身の力が集中するので、ピッチャーは爪トラブルを抱えています。だからこそ、100%の実力を出せるように普段から爪の長さ、形を整える(=コンディショニングする)必要があります。」
藤波「なるほど。」
大塚「それが、アスリートネイル。体調管理、栄養管理と同じように爪の管理をする。練習でも試合でも常に同じコンディションでプレーできることは、繊細な感覚を研ぎ澄ますアスリートにとって必要なコンディショニング技術です。」
プロレスと爪。実力を出す爪の切り方
藤波「全盛期の時は生爪が剥がれたことが何回もあった。プロレスラーは、普段から爪を気にかけている。」
大塚「そうなんですね。どうしてですか?」
藤波「プロレスでは、爪が剥がれることの他、爪が伸びると凶器とみなされ、相手を傷つける心配があるから。」
大塚「なるほど。フェアプレーの精神ですね。」
藤波「アメリカでは試合前のレフェリーチェックで、爪が伸びていたら控室に戻って、爪を切って来いと言われることがあった。」
大塚「今も深めに切られていますよね?普段からですか?」
藤波「そうなんだよ、普段から深爪ぎみに切ってる。」
大塚「でも自分のパフォーマンスのために、爪を切るという意識ではなかったということですね。」
藤波「そうだね、自分より相手への配慮だね。」
大塚「自分のプレーを100%出せる爪の切り方がありますが、どう思いますか?」
藤波「驚きだね。いいことだと思う。今のプロレスの若い世代は、爪を意識しているし、とても良いんじゃないか。」
大塚「アスリートネイルを知った野球選手の一部は、実際に自分自身で爪切りをコントロールしています。やり方を知れば、何も難しいことはありません。爪をコンディショニングすることは、選手自身にとって価値があることです。さらには、選手のプレーを楽しみにしている観客に対しても、全力のプレーで熱狂と感動を届けられます。それって素晴らしいことじゃないですか。」
藤波「なるほど。見る側にもメリットがあるんだね。」
大塚「私は、アスリートネイルを選手に導入してもらうだけではなく、観客側にもアスリートネイルを知ってもらいたい。スポーツを取り巻くすべての人がアスリートネイルを理解することで、フェアで白熱したスポーツ観戦を楽しむ環境ができあがりますよね。」
ミリ秒の差が勝敗を決する、爪のコンディショニング
大塚「プロレスだと、例えば、あと少し早く反応できていれば相手の技をかわせたのでは? いや、むしろ意識は反応していても、体が遅れるケースはありませんでしたか?」
藤波「確かに。あったと思う。」
大塚「スポーツは、一瞬遅れるが敗北に繋がる世界ですよね。」
藤波「まさにその通り。」
大塚「その原因が、爪にあると考えたことは?」
藤波「考えたことはなかった。力を100%発揮するために爪のメンテナンスをするというのは、目から鱗。理論も分かる。聞けば聞くほど、スポーツにとって爪は重要。」
大塚「私はよく皆さんにも伝えているのですが、歯と同じで、爪も一生ものです。たとえ現役を退いたとしても、爪のメンテナンスは日常生活でも役立ちます。」
藤波「爪の働きを知ると、元気で健康な生活には爪は欠かせないね。」
大塚「実は爪を適正に整えることで、関節に起因する傷病リスクの軽減に繋がってきます。そういう意味では、自分自身でできる健康寿命や予防医療の一番身近な出発点が、爪切りですね。」
藤波「なるほど。」
大塚「僅かな段差でつまづいた高齢者の方が、爪を使ってバランスを保ち、しっかり踏ん張れるか?それが転倒する、しないに影響します。これは大きな差です。」
藤波「非常にためになる話が聞けた。アスリートネイルは、これから流行ると思う。」
※本記事に掲載されていない様子は、B.S.TIMES 2020年3月15日発売号をご覧ください。
http://bs-times.com/
藤波辰爾
Tatsumi Fujinami
日本のプロレスブームを牽引したレジェンドと呼ばれるプロレスラーの一人。第77代NWA世界ヘビー級王者。
2015年3月、功績を称えられ、日本人として2人目となるアメリカ・WWE ホール・オブ・フェーム(殿堂入り)の名誉に輝いた。
タレントの他、事業家としても活躍する。
【 取材場所協力 】
爪SPA(ツメスパ)
http://tsumespa.com/
アスリートネイルトレーナー在籍サロン。日常的に爪が弱い方、割れる方、スポーツなどで普段から指先を酷使されている方もご相談ください。じっくりとカウンセリングして一人ひとりに寄り添い、ケアに重点をおいてスペシャリストが施術。男性も来店しやすいサロン。