現代アスリートの致命傷!オーバープロネーション(過回内)の悩みと改善策とは?


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オーバープロネーション は、多くの現代人を悩ます足の問題だと言われているが、そもそも、なぜ現代になってから悩みが出てきたのか?

その答えは、ここ約100年の間にあった。人類の長い歴史から見たら、実に最近の話だ。その短期間に一体何が起きたのか?人体構造と現代社会の関係をスポーツ医学的に追いながら解説する。スポーツする上で避けては通れない問題を紹介するので、知識として理解し、ぜひ日頃のトレーニングでの問題発見に役立てていただきたい。

プロネーション(回内)とは?

まずプロネーション(回内)とは、内側に回る動きのことだ。逆に外側に回る動きは、回外と言う。

足首の場合、着地したときの衝撃を分散するために足底を内側方向に回転することで衝撃を吸収する、人体の自然な動きのことを言う。人間が足で着地したり、地面を蹴り出す時、足が内側に回転して衝撃を緩衝し、体重の3倍以上の重力を支えている。

参考までに、足の骨の数は片足で28個、両足では56個となる。人間の全身の骨の数は206個だから、実に1/4もの骨が足に集中しており、その一つ一つが二足歩行に適した形状をしている。それだけ複雑な構造であることを念頭に置いておきたい。

その上で、オーバープロネーション(過回内)は、踵の回内が必要以上に大きくなることで、様々な問題を発生させている。

オーバープロネーションが顕在化した2つの背景

オーバープロネーション が現代人を悩ませた背景は、大きく2つある。一つは人類進化の要因、二つ目は社会的な変化である。

①人類進化の要因:衝撃吸収をつくる足の3つのアーチ構造

人類進化の要因としては、二足歩行を手に入れたことだ。全身の体重を4本の足から2本で支えることになり、骨格形成の進化で二足歩行に合った「衝撃吸収の仕組み」を手に入れることができた。それが足を構成する3つのアーチ構造だ。

足のアーチ構造(俯瞰)

図のように、足には「内側縦アーチ」「外側縦アーチ」「横アーチ」がある。片足でも身体のバランスをしっかりと取ることができるのは、これらのアーチのおかげだ。

ちなみに、内側縦アーチでつくられるものが、いわゆる土踏まずである。

アーチは人間の足だけにある独特の構造だ。成長するにつれて、個人差はあるものの3~4歳頃から足にアーチが出現し始め、9歳頃までにその人の足の形が決まる。逆に9歳までに運動が足りないと扁平足になりやすい傾向がある。

足のアーチ構造(正面・横)

また縦アーチには、踵を基点として扇のように強靭な縦走繊維束(=足底腱膜)が張っている。

これが上からかかる衝撃を吸収すすとともに、次の一歩を蹴り出す推進力になっている。

アーチが持つ機能をまとめてみよう。

  • 次の一歩を踏み出すバネ機能
  • 接地衝撃を吸収するクッション機能
  • 片足でも安定できるバランス機能

人間は踵から着地した時に、踵を基点としてアーチが締まることで、この3つの機能が自然と発揮できる。凹凸がある地面でも「地をかむような握り」が効くので、衝撃吸収と強い蹴り出しができる。生き残る上で必要な進化であった。

しかし、二足歩行自体は約400万年前にアウストラロピテクスが行なっている。どうして直近100年の問題なのか?それは足の構造が、次の社会的変化の要因の影響を大きく受けたためであった。

②社会的変化:アスファルトの登場

1873年にイギリスで電気式四輪トラックが実用化された。それに伴い、1870年代にはロンドン、ワシントン、ニューヨークで本格的アスファルト舗装が建設される。日本でも1878年、神田昌平橋で初のアスファルト橋面舗装が施工された。

つまり、人類の長い歴史のわずか直近の100年強で、土に変わってアスファルトの硬い道が整備されたのだ。それまでは土の地面で凹凸があっても「足のかむ力」でバランスと取ってきたが、きれいに平坦となったアスファルトの上では「足のかむ力」の重要性が薄くなってきたとも言える。

そこで出てきたのがプロネーション(回内)の問題。土の地面で適正に進化した足の構造は、硬く平坦なアスファルトの上では、過剰に機能し過ぎてしまう(=オーバープロネーションしてしまう)のだ。

プロネーション(回内)のタイプ

それではプロネーション(回内)のタイプを3つ紹介する。

ニュートラルプロネーション

着地の際、踵が適度に回内している状態。回内の角度は、約5度。余分な力がかかりにくいので、スムーズな着地と蹴り出しができる。

マラソンなど長時間走り続けるスポーツでは、クッション性を備えたシューズを選ぶことが良い。1回の運動では問題なくても、関節の疲労は蓄積していくので普段から負担をかけないコンディショニングが大切だ。

アンダープロネーション  

着地の際、踵の回内があまりみられない状態。衝撃緩和する動きが小さいため、大きな着地衝撃力を生じやすく身体の負担が大きくなる。

足首で吸収仕切れない衝撃が膝に溜まることが懸念される。そのため故障率が高い傾向にあるのもアンダープロネーションだ。回内を誘導できるようなシューズやインソール選びに気を使いたい。

オーバープロネーション(過回内)

着地の際、踵の回内が必要以上に大きくなる状態。回内の角度は、約10度。足のアーチ構造を崩し、脛(すね)の正しい向きや角度を歪ませてしまう場合がある。着地が不安定になりやすく、脚の筋肉や膝などの関節に負担がかかりやすい。

アンダープロネーションの逆だが、過剰な回内を適正範囲にとどめられるようなシューズ選びが必要だ。またインソールの場合は、固めのインソールで回内を抑えることが重要だ。

オーバープロネーションが引き起こす他の症状

オーバープロネーション(過回内)は、足のアーチの機能(バネ、クッション、バランス)がうまく働かない状態だ。つまり、体の構造によってバネ、クッション、バランスを保つのではなく、筋力で補完することになってしまうため余計な負担をかけることになり、他の症状や故障を引き起こす原因となる。

  • 扁平足
  • 外反母趾
  • 足底筋膜炎(踵の痛み)
  • シンスプリント(すねの痛み)
  • ランナーズニー(膝の痛み)
  • 腸脛靭帯炎
  • アキレス腱炎
  • モートン病(足の指の中指と薬指の間の痛み)
  • ハンマートゥ

土台であるアーチの崩れ(=足の骨格の崩れ)は、膝や腰、肩を含めて、体全体に悪い影響をおよぼす危険な状態である。スポーツにおけるパフォーマンスの維持を妨げ、怪我や疲れを誘発してしまうのだ。

対処方法

オーバープロネーション(過剰回内)は、足底腱膜の他、足底筋群など特定の筋肉が弱っていることでアーチが機能していないことが多い。

特に扁平足は、後脛骨筋機能不全とも呼ばれ、後脛骨筋という筋肉が弱いため足のアーチが下がってしまい、土踏まずがなくなっている状態。改善するには、タオルを床に敷き、その上に足を乗せて、足の指でタオルを手繰り寄せて土踏まずの下にタオルを全部集める筋力トレーニング(=タオルギャザー)が有効だ。

  • 適切なシューズを選ぶ
  • 適切なインソールを選ぶ
  • 筋力トレーニングする(後脛骨筋)

シューズやインソールは、場合によっては、オーダーメイドするのも良いだろう。足のアーチ構造を整え、機能させることで足本来の機能を取り戻すことができる。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

手も足も指先に力をかけるために爪の機能が必要だが、そもそも指先に達する前にで力が逃げてしまっては意味がない。より強い力を指先から放つには、肩(腰)から肘(膝)、手首(足首)、指先と、身体の起始から適切に力を伝えなくてはならない。

  • 足には3つのアーチ(内側縦アーチ、外側縦アーチ、横アーチ)と、3つの機能(バネ、クッション、バランス)がある
  • アーチの崩れは、膝や腰、肩など、体全体に悪い影響をおよぼす
  • オーバープロネーション は、道具選びとトレーニングで対処できる

アスファルトをランニングする方、トレイルランをやっている方は特に衝撃吸収が非常に大切です。ランニングフォームを計測できるショップもあるので、自分にあったプロネーション用の靴とインソールを選択して、スポーツ生命を維持したいものだ。

手や腕を使うスポーツをしている人は以下の記事もぜひ併せて読んでほしい。オーバープロネーションが密な関係していることを図解入りでまとめています。

”オーバープロネーションはコントロールを狂わす”

記事レベル ★★★★☆【この記事は、4分で読めます】オーバープロネーション(過剰回内)に関する以下の記事は、ご覧いただいただろうか。

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※この記事で触れた足アーチや足底腱膜に興味がある方は、こちらもオススメです。
モノフィラメント圧痛計による若年者足底感覚測定の性と部位による差の検討 宮島 恵樹 著


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